2012年

6月

13日

顧客を伝道師に

マーケティングにおいて、顧客との関係性を構築することが重要であることは、先進国が成熟社会になって特に言われています。

その理由は、

①成熟社会において、新規顧客を獲得するコストが、顧客維持コス

 トの5倍以上かかるということ

②成熟社会においては、顧客のLTV(Life Time Value)をいかに

 獲得するかが中長期的に売り上げと利益に貢献する

以上の2点が背景にあります。

そして、CRM(Costomer Relation Management)という概念が生まれ、

①潜在顧客

②トライアルユーザー

③リピーター

④ロイヤル・カスタマー

へと顧客を導くために、それぞれの段階で、それぞれに合ったコミュニケーションをしていくという考え方です。

例えば、私はジレットの髭剃りを使っていますが、そうなるまでには、ジレットから様々なコミュニケーションを受けてきました。

最初は、電動のものを使っていたのですが、なんかのイベントでジレットの4枚刃の本体(替刃一枚付き)を無料でいただいたのが、潜在顧客からトライアルになったコミュニケーションでした。

そして、その深剃り感が気に入って、B社の電動からスイッチしてしまいました。そして、4枚刃から5枚刃そしてスムーサーなどの商品進化というコミュニケーションを受けて、リピーターになりました。これからロイヤルカスタマーになるかどうかは、ジレットのコミュニケーション次第です。

私は、2週間に一度刃を変えるぐらいのペースですので、替刃一つ300円ぐらいしますので、月600円、年7,200円、10年でなんと72,000円を使うことになります。ロイヤルカスタマーになって、30年使用したら替刃だけで216,000円を使う計算になります。CRMの考え方は、まさしくこの金額をいかに支払ってもらえるかを問うものです。

しかし、新しいCRMの考え方は更に進化しています。

それは、Face book やTwitter等のソーシャル・メディアの登場が背景にあるのです。

その概念では、顧客を重要なメディアとして段階を追って成長してもらうという考え方です。

既存のCRMでは、基本的に前述した①潜在顧客②トライアルユーザー③リピーター④ロイヤルカスタマーという段階でLTVをいかに獲得できるかを目的にしてきました。そして、新しいCRMでは、それとパラレルするように、顧客をメディアとして

①潜在顧客

②トライアルユーザー

③ファン

④エバンジェリスト(伝道師)

という段階で成長してもらうようにコミュニケーションを組み立てていきます。

エバンジェリストになった顧客は、企業の代わりに潜在顧客に、縦方向ではなく、横方向でコミュニケーションをしてくれるのです。しかも、広告よりも数倍効果がある「口コミ」という強力なメディアでです。これが、今の顧客との関係性のあたらしい姿です。

しかし、ソーシャルメディアは、あくまで顧客同士のコミュニケーションの場であり、そこを「利用する」という発想をすると結果はみじめなものになるでしょう。やはり、顧客の立場ですべて発想し、ソーシャルメディアでオーガニックに良い評価がされるようなコミュニケーションプロセスとシステムを構築することが求められます。