2012年

8月

03日

再編寡占化するポイントカード

リアル店舗での最大の店舗数を持つTポイントカードとネットで楽天に水をあけられているヤフーポイントが今年10月から統合されることが発表されました。この統合に両社のどのような狙いがあるのかを見てみたいと思います。

まず、現在のポイントカードの勢力図を見ますと以下のようになっています。

Tポイント   会員数4,093万人 加盟店舗数4万7,304店

ポンタ     会員数4,556万人 加盟店舗数1万7,875店

楽天ポイント  会員数7,600万人 加盟店舗数12万8,000店

ヤフーポイント 会員数2,640万人 加盟店舗数2万431店

ここで見えてくるのが、まずヤフーポイントの楽天との格差です。

会員数で2.9倍 加盟店数では6.3倍の差をつけられています。

そしてこの会員数というのは、基本的には加盟店数の多さに強く影響されるため、その差が大きくなると、いわゆる「ネットワーク外部性」の法則に従って、加速度的に会員数の格差が開いてしまうという結果を招きます。楽天はそのことを十分理解し、加盟店と会員の獲得に多くの経営資源を投入して経済圏を築き上げてきました。このようなネットワーク外部性が働くものについては、いち早く市場のスペースを取ったものが圧倒的に有利になります。

一方、リアルで一番の加盟店を誇るTポイントカードですが、主体である蔦屋の業界では、コンテンツ産業のデジタル化とオンライン化に伴いコモディティ化が一気に訪れてしまい、CDやDVDの貸し出し数は上がっても、売り上げはダウンという厳しい状況にさらされています。また、ポンタには会員数では負けており、これを早めにキャッチアップしてリアル市場での地位を万全にしたいという思惑があります。大きなコンビニチェーンとかが加盟してくれればいいのですが、すでにコンビニエンスチェーンでは刈取りがほぼ終了しており厳しい状況です。そこで出てきたのが、今回の統合という選択肢だと思います。

ヤフーにとっては、ネットとリアルの双方で使えるポイントの発行主体となるというメリットがあり、使える加盟店の数が一気に増えることになります。楽天の状況を見ればこれ以上の格差は、雪崩を起こすことになるとの判断があったと思います。

一方、Tポイントカード事業では、加盟店からシステム利用料の他、ポイントを付与する売上高につき0.5%~1%程度が加盟店から入ります。従って、ポイント付与取引が増える分だけ収益は拡大します。従って、Tポイントも加盟店と会員数を増やさなければならない事情があります。

そして、このTポイントとヤフーポイントの統合のもう一つの重要な要素として、ネットからリアルへ誘客するOnline to Offlineの戦略性を高めるという利点があります。

このような市場と競争環境が今回の統合を決定させた理由なのだと推測します。