2012年

8月

20日

消費税増税で起きること

消費税増税を含む、一体改革法案が民主・自民・公明の賛成で可決されました。GDPの2倍に膨らんだ国債の累積債務を抱える日本は、団塊の世代が退職を迎えることもあり、膨らむ社会保障費と、同時に高齢化に伴う医療費の増大もあります。ヨーロッパを対岸の火事として見ている場合でなく、極めて危険な水域にあるとの認識がようやく政治家を動かした形です。海外からの評価はこの法案成立に対して好感されてはいます。もし、この法案が通らなかったら、外国人が持つ日本国債はレバレッジ付きで売り浴びせられていたかもしれません。

こうして、通った消費税ですが、今後国内的に見て起こる事象は、過去の事例から明らかなことと、過去の事例とは若干違ったことが起こることが予想されます。

まず、過去の経験からわかることとして、消費税導入の前の駆け込み需要です。特に耐久消費財に関しては、消費税導入前に買っておこうという人たちが増加し、売上が急増する期間が半年ほど続くことが予想されます。特需を煽る業者が必ず現れます。

また、さらに同じように予想されることとしては、その駆け込み特需の反動です。消費税導入後の耐久消費財の市場の冷え込みは今から考えるのも怖いくらい厳しいものになるでしょう。それは、家などの高額になればなるほど顕著に表れることとなると思います。

そして、過去からの経験とはちょっと違った動きとしては、金額の高くないものについては、消費税を含めた販売単価が、導入前と比べて上がらないのではないかということ、そして、それは一時的なものではなく長期的に続くものと予想されます。

前回消費税が3%から5%に引き上げられたのは、1997年つまり平成9年の4月1日です。もう15年ぐらい前のことです。そのころは、バブルが崩壊し、拓殖銀行の破綻や山一証券の廃業などでバブル崩壊の後遺症がありましたが、家計収入はまだ伸びていたと思います。従って、一年もすれば、最寄品や外食などは、消費税導入前と同じレベルかそれ以上に戻っていました。

しかし、今回はリーマンショック以降、家計収入が減少傾向にあり、また将来に対する不安感が、以前とは比べ物にならないくらい消費心理を減退させています。

このような時に何が起きるかというと、無駄なものは買わないということと、必要なものは今までのレベルを消費税分アップ分だけ落とすという行動に出ると思われます。特に、子供などにかけるお金はあまり落としたくないので、そのしわ寄せは、当然お父さんに来ます。すると、お父さんたちがとる行動は、外食費のさらなる削減です。昼食は弁当が増え、飲み会はレベルを落として安いところへとシフトすると思われます。実際、外食産業を展開するチムニーなどは、ホルモン居酒屋を買収するなど低価格路線の居酒屋を強化していく方針を打ち出しています。

これが実際に起これば、政府が描いていた消費税の増税分の歳入はかなり割り引かれるという結論になりそうです。

しかも、計算通りの税収が入ったとしても、焼け石に水の状態であり、縮小均衡に入っていくことは避けられない状態です。

静脈が切れて相当出血して、さらに動脈まできれそうな患者に、すっぽんの血を飲ませているような感じを受けるのは私だけでしょうか。根本的解決は、早期の思い切った外科手術だと思うのですが・・・。