2012年度上期貿易赤字

2012年10月30日(火曜日)

財務省が発表した2012年度上期の貿易収支は、3兆2190億円の赤字となりました。

これは1979年以降最大の赤字幅です。

その要因となっているのが、欧州経済の低迷と、日中関係の悪化などですが、日本の場合構造的な問題を抱えています。

国内需要の低迷と円高により、製造業が海外に生産基地を移動させて、国内製造の空洞化が進行したため、日本の企業が海外で生産した製品を日本に持ち込まれたものは、輸入としてカウントされるために貿易赤字が拡大してしまうスキームとなっています。

日本の製造業は今、国をあげて東南アジアでの工場移転を進めており、中国や東南アジア市場への販売強化を進めていますが、その統計は輸出にはカウントされません。

そして、そこで生産された製品が日本に入ってきたものを輸入にカウントされるため、日本企業の製品であっても輸入品とされるのです。

これは、日本がアメリカ化したことを意味し、アメリカの長く続いた貿易赤字と同じ構造的問題を抱えたことになります。

ただアメリカと違うのは、アメリカはドル決済で海外から製品を買いますので、カルフォルニアから製品を買うのも、マレーシアから製品を買うのも変わるところがありません。

しかし、日本は海外から物を買う場合、外貨を買ってから決済しなければならないので、貿易赤字になると外貨が不足して円安に振れやすくなるという流れが生じます。

このところの円安傾向は、その内容を反映したものと判断しています。