2012年

11月

05日

パナソニック S&P格付け2段階下げ

2012年11月5日(月曜日)

日本のブルーチップ企業(安定優良銘柄)といわれていたパナソニックが、アメリカの格付け企業S&Pにより2段階格下げされました。

10月31日に発表した同社の2012年9月期の中間決算は、最終損益が6,851億円の赤字であることがわかりました。(2013年3月期は8,000億円に達しそうです)

中間期としては、過去最大の赤字であり来年3月の配当を見送ることになります。これについては、昭和25年5月期以来63年ぶりとなります。

ここまでの赤字に陥った内容を見ますと、デジタル家電と白物家電のほとんどの分野で売り上げが下振れしており、特にデジタル家電の落ち込みが効いているようです。

そして、このデジタル家電が不調な理由は、海外の景気後退や中国との外交問題などがあり、さらにそこに海外勢(韓国・台湾)などの企業との価格競争で敗れていることが原因となっています。

デジタルテレビの年間販売計画は、1,250万台から900万台へと下方修正され、携帯電話事業では、今春に再参入した欧州市場から今年度中に撤退することになってしまいました。

この内容に関して、津賀社長は「普通の会社ではない」という表現をして「売上をあげれば利益が増えるという価値観を変える」というコメントを出していますが、インパクトがほとんどない内容だったために、株価を急激に下落させることになりました。

現在こういった日本のエレクトロニクスの会社が多いのですが、こういった局面では、会社のリーダーとして明確なメッセージを発する責任が社長にはあるということを自覚してほしいと思います。

ポイントは2つです。

1つ目は、パナソニックが今後どの分野とどの地域にどのような価値を提供していくかということの選択と集中の明確化です。

IBMがコンピュータから撤退し、ITソリューションへと明確に舵を切ったように、フィリップスが白物家電から医療関係を選択し集中したように、パナソニックはスマートハウスの分野などを選択しそれを世界中に提供していくというようなメッセージが必要だと思います。

2つ目は、事業部制の限界を知るということです。

現在まで製品分野ごとに事業部制でやってきていますが、事業部制のメリットである分野ごとでの生産性という観点では、デジタル製品などの世界的なブランド戦略の中ではあまり効果を表さないどころか、事業部の壁というものが弊害をもたらすようになっています。

パナソニックは、日本人のビジネスマンの教祖的存在である松下幸之助が創設した日本を代表する企業であり、また、皮肉にも2012年の日本で「最も働きやすい会社」に選ばれた矢先だけに残念でなりません。

開きすぎた股を適正なスタンスに直して、正しい方向を向いて、ナイスショットしてほしいと思います。