2012年

12月

04日

財務戦略のポイント

2012年12月4日(火曜日)

企業が経済活動を社会の中で行い、その結果というか経緯というものを表していくのが財務諸表ですが、それは、企業の経済活動の数字に表わされる部分を表現したものに過ぎません。

それは、基本的に車の運転に例えると、バックミラーで見た景色に近いものがあります。

財務諸表が悪いからといって、単純に削れる経費を削減しようなどということは、バックミラーだけを見て運転しているようなものではないでしょうか。

経営者の皆様は、笑ってしまうと思いますが、意外と現実になると教育費や研修費や研究開発費などをバッサリ切ってしまうことが往々にしてあります。

遠くの前の景色を見ないで、削りやすいところで削ってしまうという事態がよく見られます。

今、そんなに前を見る余裕はないというところでしょうか。

健全な財務戦略は、年に一度納税のためや開示義務のために提出する財務諸表をよく表すこととは別の考え方が必要です。

通常、提出する損益計算書は、企業と顧客、仕入れ業者、従業員、取引業者、債権者・株主、国・地域との関係で見た結果を示す指標でもあります。

つまり、顧客との関係で売り上げが発生し、そこからその原料や部品を納入してくれた仕入れ業者に支払いをしたところで、売上総利益が計上され、そこから役員報酬・従業員や取引先などの経費を支払った営業利益が計上され、そのあと、資金を提供してくれた金融機関や株主に利子や配当を払って経常利益が計上され、国や地方に税を支払ってそのあとに残る残余財産は、あらゆる企業との利害関係者との取引の結果であるといえます。

ここで、残余財産が残っていれば結果としてはよかったということになります。

そして、この利益はあらゆる「活動プロセス」の結果であるといえます。

ということは、重要なのは「プロセス」であって、結果(財務諸表)はそのプロセスの今年の部分に現れた部分でしかありません。

そこで、財務戦略で重要になってくるのが、投資という部分の将来に向けた戦略的資源配分活動です。

そこでは、理念・ビジョンに基づいた全体戦略が根本にあって、その実現にあたって、固定資産(設備や機械)か、無形資産(知的資産や組織)のどこに投資すれば達成できるかを見極めて重点的に投資をすることが求められます。

問題なのは、教育や研修や研究開発費が損益計算書では、経費として扱われていることです。

従って、通常、財務の部署では利益を出すことは、収益を上げるまたは経費を削るの2つのファクターで生み出そうと考え、売り上げが伸びなければ、経費であるこれら教育や研修や研究開発などを一番先に削減してしまうということが行われます。

しかし、本来これらは、将来の企業成長を実現するための「投資」であるはずです。

更にいえば、有形固定資産という投資は、年を経るごとに劣化しまたは陳腐化していくという資産ですが、無形の資産は特許以外は、年を経るごとに学習という形で向上していくという資産です。

話は、すこしズレましたが、戦略的財務は、全体戦略を実現するための投資をいかに効果的に効率的に配分していくかということに重きを置くべきです。

そして、株主や金融機関そして取引先は、どこに投資しているかを最需要事項としてしっかりウォッチしています。