管理職のリーダーシップ

2012年12月10日(月曜日)

組織運営にあたって、管理職のリーダーシップというものは、大変重要になってきています。

その理由は、現代は変化が激しいという環境にあるからです。

組織というものは、複数の人間で構成されていますので、過去からの業務の進め方というものが、慣性となって強い海流のように組織内に流れているものです。

その過去からの慣性というものを、変化に対応して舵取りし、そして、けん引していくパワーが、現代には最も必要な要素になります。

ちょうど、現在の日本の政治には変化の時代にあり、強いリーダーシップが求められていますが、なかなかそのような人物は出てきていません。

それでは、組織を動かすに当たり、リーダーとしてどのようなパワーを備えていなければならないかを今日はお話ししたいと思います。

組織のメンバーからすると、やさしいリーダーが上にいてくれたらいいな、と思ってしまうかもしれませんが、真のリーダーはやさしさと厳しさのパワーを備えていることが必要です。

リーダーが備えるべきパワー

1.畏怖心

人間は、恐れを抱いている人には素直に従う傾向があります。しかし、これは恐怖政治を行うという意味ではなく、信賞必罰を迷いなく断行できる怖さ、厳しさという意味です。良いことをすれば認められる、悪いことをすれば罰せられる、おべんちゃらを使っても見透かされるといった怖さというパワーは、かなりプリミティブな部分でメンバーを統率するうえで必要になります。

2.専門性

メンバーよりも、業務に対して精通しており、知識の幅と深さが勝っていることと、問題が発生した場合でも、経験をもとに冷静に対応できる能力を持っていると、メンバーは、信頼を寄せるようになり従うようになります。

3.人間性

リーダーが、素直なこころを持っている、そして、気さくな面を持っているということが、メンバーとの距離感を近くすると同時に、組織に潜んでいる隠れた情報というものを、メンバーから入手することが可能となります。そうなると、問題が大きくならないうちに早めに対応できるようになります。

隙のない完璧なリーダーよりも、ある程度遊びのあるリーダーの人間性がメンバーとの「のりしろ」となって、リーダーとメンバーとの関係性を作ります。

4.返報性

メンバーに対して、一生懸命に対応するリーダー、親身になって相談に乗るリーダーに対して、メンバーは、「恩を返したい」「期待に応えたい」「リーダーを男にしたい」と思うものです。

ロンドンオリンピックの、水泳のリーダーである北島康介選手に対してメンバーがいった「康介先輩を手ぶらで返すわけにはいかない」といわせしめるような、メンバーに対してのアドバイスであったり励ましというものを、北島選手は行っていた結果であると思います。

5.一貫性

リーダーのビジョンが揺るぎなく、その戦略がビジョンと整合性が取れており、その戦略を基本に意思決定されて、メンバーに対しての指示やアドバイスなどが一貫性を持っていたら、メンバーは安心感と信頼をリーダーに対して持つようになります。

リーダーに一貫性があると、メンバーはリーダーに相談する前に「リーダーだったらこういう考えでこう判断するだろう」と自分で考えて、一貫性を基に自分の考えをまとめることが可能になります。従って、いちいち、一から理由を説明する必要もなくなり、お互いに要点の部分だけ確認すれば、あとは、任せることが可能になります。

このように、リーダーは、メンバーを変化の激しい中で統率していくうえで、「畏怖心」「専門性」「人間性」「返報性」「一貫性」という5つのパワーを磨く必要があります。

しかし、この5つを完璧に備えている人間は、なかなかいるものではありません。

重要なことは、いま、自分が持っているパワーでほかの部分をカバーしながら、劣っている部分を磨いていくということです。

そして、これらのパワーを含め、意思決定をしていくリーダーにとってもう一つ重要なセンスというものを磨く必要があります。

それは「バランス・センス」です。バランス感覚を養うのは、全体を俯瞰する大局的なものの見方を心がけることだと思います。