2012年

12月

17日

価格戦略その2

2012年12月18日(火曜日)

昨日は、価格戦略の価格設定のツールについてお話ししました。

本日は、価格戦略の中でも、「消費者心理」を利用した価格設定についてお話ししたいと思います。

1.威光価格(名声価格)

「高いものはいい」「高いものを持っていると自らの価値も高くなる」という「錯覚?」を利用した価格設定です。

これで成功したのは、スイス勢の腕時計です。

30年ぐらい前には、正確な腕時計が価値があるということでクオーツを擁する日本勢が世界を席巻した時期がありました。

そして、今では0.1秒も狂わない1万円前後の電波腕時計が出るに至りました。一時元気をなくしたスイス勢は、腕時計の方向性を全く違うファッション性へと大きく舵をとり、高額でファッションとラグジュアリーというポジショニングで現在は大成功しています。その高額の中身はほとんどシチズンのムーブメントです。しかし、価格は数十万円以上という価格になっています。

そして、面白いことに安いスイス製の時計は売れないし、日本の正確無比な時計も売れなくなっています。

これこそが、威光価格です。

2.端数価格

これは皆さんよく御存じで、しかし、よく知っていても、ついついハマってしまうプライシング術です。

2000円と1980円では20円の違いですが、人間の目は左から右に数字を見ていきますので、最初の数字が2と1という比較をしてしまい、2000円と1000円の違いように「錯覚」してしまうことをうまく使っています。なぜか、この方法は意外と長続きしています。

これは、端数価格を付けたものは「安くなっているはずだ」という錯覚がそうさせていると、私は分析しています。

3.慣習価格

これは、缶コーヒーの例でよく言われる話で、缶コーヒーというのはだいたい120円と相場が決まっており、それよりも高くても逆に安くても販売数が落ち込むという性格のものです。

4.ライン・プライシング

例えば、お歳暮やお中元などは、商品別に陳列するよりも、価格帯別、つまり、2000円、3000円、4000円、5000円というくくりで陳列した方が売り上げがいいようです。

それはなぜかというと、お歳暮やお中元などは予算が決まっていてその中で商品を選びたいという心理がありますので、一人当たり3000円と決めたら、その売り場で何にしようかという思考回路の方が人間の選択処理能力にとってはありがたいのです。

これは、買い物を楽しむというよりも、かなり義務的な買い物の場合に有効に作用するようです。

5.均一価格

ライン・プライシングををディスカウントと合体させたのが百均ショップです。

百均ショップにいくと、余計な買い物をたくさんしてしまって、いらないものまでついつい買ってしまうという人がたくさんいます。

これは、人間の買い物の欲求を制御する「価格の心配」という大きなタガを外す役目を果たしています。「もう、どれを買っても百円なんだ」という安心感が、買い物欲求を暴走させてしまう、というメカニズムです。

6.抱き合わせ価格

例えば、靴下で1足330円というよりも、3足1000円の方が売れるという面白い現象に出会ったりします。

これは、消費者がまとめて売っているものは安いという錯覚と、靴下のような消耗の激しいものについては、まとめて買っておきたいという心理を掛け合わせてプライシングしています。

あまりファッション性を問わない下着などはこの価格設定でよく売れています。

このように見ていきますと、人間は買い物をする場合に冷静沈着に買い物をしているようで、意外とそうではないことに気付くものです。

日本の伝統的な価格戦略として、「松」「竹」「梅」があります。

まず、天丼を1200円で売りたいとしたらその1200円に「竹」という称号を与えます。

そして、そこから200円ぐらいのあまり大きくなく、かつ、あまり小さくない価格差をつけて、200円高いものには「松」という最高級の称号を与えます。そして200円安いものには「梅」という、あまり大声では頼みたいくないような名前を付けておきます。すると、日本人は、ほとんど「竹」かまたは「松」を注文するようです。

このように価格戦略は、消費者心理を理解して、ただ単に安い価格をつければ消費者は喜ぶなどと単純に考えていけないことが言えます。

 

 

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コメント: 1
  • #1

    野田のしんちゃん (水曜日, 19 12月 2012 10:35)

    毎日楽しく拝見させていただいております。
    自社の商品の価格設定に頭を痛めている昨今、2回にわたる価格戦略、大変参考になりました。