高年齢者雇用NTTの決断

2012年12月21日(金曜日)

NTTグループは、企業に65歳までの希望者全員を継続雇用することを義務付ける「改正高年齢者雇用安定法」が今年8月に成立したことを受けて、2013年秋に新しい賃金制度を導入することを新聞等で発表しました。

改正高年齢者雇用安定法は、2013年4月から雇用を義務付ける対象年齢が段階的に上がり、企業は2025年4月からは65歳までの希望者を全員雇う必要があります。

NTTグループが労働組合と合意した内容は、

・初任給を現状レベルに維持

・入社した後の基準内賃金(基本給)の昇給率を下げる

・成果部分の比重は高める

・60歳以上の給与を300万円以上に維持する

ということのようです。

これを実施することで、生涯賃金は従来分を維持していくという方針です。  

これは、今まで日本で行われてきた「年金型賃金精度」を更に先延ばししたようなものです。

年金型賃金制度とは、若いうちは働きに対して賃金は低く抑えられているけど、我慢して長く同じ会社に勤めていれば、50歳をすぎたあたりから働きに対してそれ以上の賃金を支給するというもので、 長期雇用を前提にした生涯決済型給与体系です。

NTTは、給与レベルが一般に比べて高いですし、福利厚生も充実していますから、安定型志向の人たちからは変わらず応募があると思います。

ただし、この給与体系は強い副作用があると思われます。

それは、30代・40代の優秀で挑戦的な人材の外部流出です。

グローバル経済でインターネットをプラットフォームとするビジネス世界の中で、今までの大企業が倒産したり、まったく名前も知らなかった一学生が、世界の10億人を集めるSNSを1年で創ってしまう時代です。

このような時代に、長くいれば生涯賃金は保障されるよというようなことをいっても、その会社が長く存在するのかというリスクが高まっています。

まさにこのような時代は、「年金型給与」よりも「現金決済型給与」(現在のパフォーマンスに対してその対価を払う)のほうが適していると思います。

特にNTTは、最先端のハイテク通信技術を持った人材を確保していく必要があるはずです。

そういう意味では、将来的に不安を感じます。