中核事業にコモディティ化する兆しが見えたら

2013年1月11日(金曜日)

私がインターネットで視聴している、ビジネス・ブレークスルー大学の大前研一ライブで、昨年末「2013年の展望」というライブ放送がありました。

その中で、中核事業の製品・サービスにコモディティ化する兆しが見えたら、たとえ収益を生んでいても、手遅れになる前に売却・撤退の決断をして手放すことが重要である。というIBMのパルミサーノ会長の決断についてのパートがありましたので紹介します。

IBMはご存じのとおり、コンピュータハードで世界でも最大級の会社でありましたが、日本勢のパソコンやデルなどのアメリカの廉価版コンピュータが出始めた時、会社全体の戦略を大きく変更し、コンピュータハードを中国の会社に人馬一体で売り渡し、トータル・ビジネス・ソリューションというソフトを提供する会社に生まれ変わりました。

そして、なぜその決断をしたというと、IBMのように世界で最も巨大で、最も給料の高い会社は、コモディティ化した商品を作り続けていくことはできないという判断です。そして、世界で最も先進的で高い給料を維持していくために、常に、パルミサーノ会長は、自らに「5つの問い」を投げかけているそうです。

1.創業者が退いて以降も企業を永続していくには何をすべきか?

  「単に製品やサービスだけでなく、企業の理念や価値観を作り

   上げるべき、これこそがリーダーシップである」

2.組織として相反する要素があったときどうするべきか?

  「例えば、コスト削減とR&D投資、単にバランスを取るのでは

   なく、M&Aを含めて大切なことはしっかり継続すること」

3.コモディティ化にどう対処すべきか?

  「PCのように事業の中核をなさないとわかったら、利益が出て

   いても、売却をする」

4.企業の国籍がグローバル時代にどれほどの意味があるのか?

  「各国各地域のニーズをつかみ、それに応じた価値を創造しな

   ければ成功はおぼつかない。市場は参入するものではなく、

   創造するものだ」

5.リーダーとして長期的な視野をどのようにして貫けばいいの

  か?

  「リーダーとして方向性を明確に示せば、社員はついてくる」

以上が、IBMパルミサーノ会長が常に自らに投げかけている「5つの問い」です。

常に未来を見つめ、現在の在り方を問い直す姿勢が見られます。

コンピュータハードいう過去の成功体験にしがみつかず、未来に向かって付加価値を創造することだけが、顧客から高い利益還元という結果を導き出す答えであると言っています。

また、変化の兆しを感じたら、今まで積み上げてきたものを、ゼロベースで考え直す覚悟も重要であるといえます。