2013年

1月

14日

行政の失業率低下へのジレンマ

2013年1月16日(水曜日)

厳しい経済環境の中、政府や行政は失業率を抑えるためと年金の受給年齢の先延ばしのために、正社員化の促進や雇用の引き延ばしというものを企業側に義務付けしていますが、このことは、正社員の採用を著しく抑えるというジレンマを抱えることになります。

日本の企業は、これまでの政府や行政の政策により従業員の解雇というものが大変しづらい状況になっています。

解雇を規制すればするほど、企業は採用に慎重にならざるを得ません。逆に解雇がある程度柔軟にできる国では、採用は活発に行われるという状況になっています。

そのため、日本の労働市場は、大変硬直的で流動性が少ないという特徴を持っています。

そのおかげで、日本の失業率は世界でも低いという数字上の結果を示していますが、企業自体の競争力を徐々に低くしていくという現代ならではの危険性をはらんでいます。

つまり、変化のスピードへの対応とグローバル経済への対応ができにくいという問題を抱えています。

たとえば、自動車の製造というのは、これまで、機械系の人が中心となって設計や製造を担ってきたわけですが、これが電気自動車となった場合、必要な人材は電気工学や電子工学の専門の知識を持った人が設計や製造を担っていかなければならなくなります。それに対応するためには

1.電子・電気の専門家を大量に採用し、機械系の人を解雇する

2.機械系の人に、改めて電気・電子の専門知識を一から習得して

  もらう

のどちらかをしなければなりませんが、どちらが効果的で効率的に対応できるかは明白だと思います。

また、世界を市場にする企業などは、硬直した日本の労働市場から、労働コストが低くて雇用が柔軟にできる国に移っていくという行動に出ることは止められません。

政府や行政は世界と戦わなくても済むかもしれませんが、企業は労働コストの低い国や労働市場の柔軟な国と互角に戦っていかなければ倒産してしまいます。

これらのことと、日本にグローバル企業を積極的に誘致しようと思えば、柔軟な労働市場という方向性が必要であることがわかると思います。

現代は、世界中がビジネスのフィールドという時代です。いくらでも外に出ていける環境の中で、雇用調整のできにくい政策をとっていても、企業は外に出ていくばかりというジレンマを抱えています。

私は、政治も行政もポピュリズムに陥ることなく、将来的に日本の経済を活性化させるために、雇用調整の柔軟性を確保する方向性が必要だと考えています。