変革期のリーダーシップ

2013年1月18日(金曜日)

私は、今年の年頭に、今年は企業の成長のカギを握るのは人材戦略であると述べました。

今日は、その人材戦略の中でも、今必要とされているリーダーシップについてお話ししたいと思います。

そして現在のような変革の時代のリーダーシップは、安定した時代のリーダーシップとは違ったスキルが求められ、その違いはなにかについてもお話ししたいと思います。

リーダーとしての組織の長の役割は、意思決定を行うことです。

そして、自分が下した意思決定を実際に実行するのは、別の人間ということになります。

そういう意味では、リーダーというのは、本質的にまったく人頼みで他力本願的な要素があります。

ですので、現場の社員の継続した「本気」がないと成果を上げることはできません。

その本気をキープすることが、リーダーの最も重要な仕事となります。

つまり「人に影響を及ぼし、望ましい方向の行動をとってもらえるか」が勝負となります。

この状況を作る場合、安定期と変革期では求められるリーダーシップの内容が変わってきます。

1.安定期のリーダーシップ

フォーメーションが定まっていて、何をなすべきかが決まっているので、それらを「効率的」に追求することが最大のテーマになります。現場に任せてチームワークを発揮させて、全員が参加する状態をつくって、コンセンサスを重視する。これが、安定期のリーダーシップの志向すべき行動となります。

この場合、リーダーは表に出るというよりは、どちらかというと部下のやる気と能力の向上に力を入れるという、奉仕者としてのリーダー像となります。

2.変革期のリーダーシップ

変革期の場合、最大の目的はもちろん変革です。変革を優先すべきときは、目先の利益を追求してはいけませんし、従来型の価値観の中で変革をしようと思ってもうまくいきません。

また、変革すると決心した人が、変えたくないと言っている人たちを主導していかなければなりません。

強力な、そして時には激烈なリーダーシップが求められます。

変革期のリーダーと成員とのコミュニケーションの取り方も、安定期のコンセンサス型でなくディベート型となります。徹底的に議論し、肚に落ちるまで納得してもらうことが必要になります。

そして、変革期のリーダーシップの役割は以下の7つになります。

①将来に関する夢のある大きな絵をビジョンとして示す

 変革は組織メンバーにとって先が見えないものであるだけに、

 その将来像をしっかり明示することが重要になります。

②環境変化の動向を嗅ぎ分け、変化の意味や理由を示す

 論理的かつ明確に簡潔に「なぜ変化が必要か」を説明します。

③ビジョンを実現する具体的活動に、社員が挑戦することを促す

 変革の達成に必要のない今までやってきた仕事を「そういうもの

 はいらない」と割り切り、変革に意味のある行動を促します。

④ビジョン実現での実行段階では厳しさを見せる

 変革が最重要であり、できない人ややりなくない人は、必要が

 ないという究極の判断も必要になってきます。

⑤変革に取り組む社員へのケアと育成を実施

 一方で、一緒にビジョンの実現に取り組む社員に対しては、十分

 なケアをしなければ、途中で腰折れしてしまう危険性があります

⑥ビジョン実現に必要な情報や資源を入手できるネットワーク

 組織内だけでなく、広く外の利害関係者を支援者とすることが重

 要になります。

⑦実行段階で起きる社員の感情の問題に敏感であり対応できる

 ビジョン実現という社員の行動は、理解だけではなく感情移入す

 ることで、一層の力強さとスピード感が生まれます。

 

私が、今年特に人材戦略に力を入れている理由は、日本という世界でも高いレベルのGDPを維持していくためには、材料や施設や機械といった従来の資源への資金配分(ハード型)から、知的能力の高さでビジネスモデルを確立しない限り、新興国と同質競争することになり、それは、果てしないコスト競争に陥ること意味し、それは同時に日本人の一人あたりのGDPをそのレベルに陥れるという意味でもあります。

コア人材の確保が今後の成長の条件であり、リーダーシップがそれを可能にすると信じています。