2013年

1月

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ダイバーシティ人材戦略のポイント

2013年1月21日(月曜日)

人材戦略の中で、最近は「ダイバーシティ」が取りざたされる機会が増えてきています。

ダイバーシティ人材戦略は正確には、Divesity & Inclusion(多様性と受容)です。

性別や年齢、人種の違い、身体障害の有無といった外見的な相違(第一次特徴)だけでなく、宗教や学歴、志向・価値観、婚姻状況といった内面的な相違(第二次特徴)も含み、すべての人が各自の持てる力を十分に発揮し、チームや組織に貢献できる環境をつくることを目的にしています。

このダイバーシティ人材戦略が重要視される背景には

1.グローバル経済の進展

2.グローバル経済並びに成熟社会における価値観の多様化

3.女性の社会進出意欲の増大

4.ライフワークバランスの見直し

5.IT化による働く環境の多様化

などがあります。

グローバルビジネスの世界では、ダイバーシティという思想が標準になりつつあります。

そして、このグローバルなダイバーシティという思想が日本においては、理屈では理解しながらも、なかなか確立しない事実があります。

そのルーツは、日本は、島国という地政学的特徴と江戸時代に長く続いた鎖国制度の影響があり「単一性」という価値観が深く社会のDNAとして組み込まれてきました。

・和をもって尊しとする

・出る杭は打たれる

・長いものには巻かれろ

・お上の言うこと

というよに本来内面的な多様性を持っていながらも、「みんなと同じ」という価値観を重要視し、それさえしていれば間違いないという処世術が、統一性という一面的に有効な体制を確立してきました。

このことにより、政治的安定と戦後においては、世界でもまれにみる短期間での経済復興を遂げてきました。

しかし、昨今のグローバル化、消費や生活並びに価値観の多様化の時代において、著しい弊害となって企業経営においてマイナスに働くようになっています。

携帯電話が、グローバル化で世界標準を目指すときに、日本の携帯はガラパゴス化してしまい、アップルとサムスンというグローバル戦略企業に市場をあっという間に席巻させていましました。

同じ価値観・同じ考え他の人々が集まる組織というものは、「高度で均一な品質を維持する」ことが可能であり、また「働く人にとって大変居心地がいい」という側面があります。しかし、その裏返しとして「変化を避け」「保守的」になるという面があります。閉鎖経済でかつ高度成長期においては、このいい面が企業の業績を向上させてきましたが、グローバル経済でかつ変化の激しい時期に入り、マイナス面が業績に現れるという事態になっているのが現状であると私は考えています。

また、均一化した考えや志向および価値観を持つ人材の組織というのは、意外と競争の目が外に向かわず、同質である内面に競争の目を向けてしまうという特徴があり、世界の競合への敏感なセンサーよりも、組織内の同質競争に神経が注がれます。

それに対して、多様性を持つことは、思考に対する刺激と、実務上の補完を可能にするという意味で、ニーズの多様性に対してポジティブなフィードバックをします。それが製品やプロセスのイノベーションへとつながっていくのだと思います。

そして最後に、多様性を重んじるダイバーシティ人材戦略ですが、それには逆に単一化してい置くべきものがあります。

1.組織の持つ明確な理念・ビジョン

2.理念とビジョンの肚落ちまでの共有

3.戦略の明確化と理解と徹底

4.コンフリクト(対立)をビジネスとして割り切り、パーソナル

  にまで持ち込まない風土の醸成

これがない多様性は、単なる「烏合の衆」となり「対立がパーソナル化」する恐れがあります。

経営者の皆様には、こういった点を十分に留意いただき、ビジョンに向かって多様な人材を活用することが これからの企業の将来に向けて重要であることを理解いただければと思います。