人材の市場価格と流動性の促進

2013年1月24日(木曜日)

日本においては、業種によっての賃金格差というものが大変大きいという特徴があります。

たとえば、放送局などは非常に高くなっており、逆に小売業の場合は低いという傾向があります。

放送の場合、規制により参入障壁が高く競争があまりないため人件費に十分金額をかけることができます。

一方、小売業は、参入障壁がほとんどないため、競争が激しく販管費をいかに抑えるかが利益を上げるための重要なファクターですので、そのなかでも一番金額の大きい人件費も低くなっているという状況です。

放送の場合、入社のときの競争倍率が高く、入社するのは大変なのですが、小売業の仕事とどれくらい難易度が違うかというと、入社の難易度や給与の格差ほどはないと私は感じています。

しかし、厳然とその給与格差は存在します。

それは、人材の流動性が低い労働市場の問題という問題と、企業側の給与制度にも問題があると思っています。

人材の能力による市場価格というものが、固定的な労働市場の中で発達していないのです。

入り口で決まったら縦方向にしか人材があまり動かないという日本人のメンタリティが根底にあります。

日本経済を活性化させるためには、今一番重要とされている人材の流動性をあげなければいけない時代に、このような状態を続けていくことは社会的損失になります。

つまり、人材の個々のそれぞれの力を、日本経済の最適な現場に置いて、力を発揮してもらうことが重要になっているのです。

従って、企業家人材、プロフェッショナル人材、ジェネラリスト人材、スペシャリスト人材という分類の中で、横方向の動きを活発化することで、市場原理に基づいて最適化される方向性が求められると思います。

そのために各企業のHRM部門に推進していただきたいのは、人事の根幹をなす給与制度を、昇給制という考え方から、市場ベースの絶対額管理への方向に向けてもらうことです。

そうすれば、今、高い仕事の能力を持っていながら市場価格より低い給与しかもらっていない人は、その高い能力に見合う給与のところで能力を発揮できるようになります。

反対に、低い能力しか持たないが、高い給与をもらっているような人は、市場価格まで給与をカットするということも必要です。

そうなると、その人はやる気がなくなってやめてしまうかもしれません。

しかし、人材の流動性が確保されているのであれば、その人が持っている能力と同等の人材を、市場価格で採用できることになりますから問題とはならないでしょう。

企業の中だけでなく、日本全体、さらにグローバルに人材が最適化の方向に向かうことは間違いないと思いますが、そのスピードをあげることが日本経済にとってプラスになると私は信じています。