2013年

2月

13日

雇用に関する新しい法律の施行

2013年2月14日(木曜日)  

今年の4月1日より、厚生労働省が定めた2つの雇用に関する法律の施行が開始されます。

1.改正労働契約法

2.高齢者雇用安定法

の2つです。

さっそく、それぞれについてみてみたいと思います。

1.改正労働契約法

改正法の3つのルール

Ⅰ無期労働契約への転換

有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えた場合は、労働者の申し込みにより、期間の定めのない労働契約に転換できるルール(いわゆる正社員化)

Ⅱ「雇止め法理」の法定化

一定の場合には、使用者による雇止めが認められないことになるルール

Ⅲ不合理な労働条件の禁止

有期労働契約者と無期労働契約者の間で、期間の定めのあることによる不合理な労働条件の相違を設けることを禁止するルール

有期労働契約者は、パートタイマーや派遣労働者等です。

厚生労働省の発表では、有期労働契約で働く人は日本で1200万人存在し、その3割が通算5年以上の有期労働契約を更新している実態にあるとしており、その下で雇止めの不安解消が課題となっているということです。

 

2.高齢者雇用安定法

少子高齢化が急速に進展し、若者、女性、高齢者、障害者など働くことができる人全ての就労促進を図り、社会を支える全員参加型社会の実現が求められている中、高齢者の就労促進の一環として、継続雇用制度の対象となる高年齢者につき事業主が定める基準に関する規定を削除し、高年齢者の雇用確保措置を充実させる等の所要の改正を行う。

Ⅰ継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止(限定禁止)

Ⅱ継続雇用制度の対象者を雇用する企業の範囲の拡大

 (グループ企業まで拡大)

Ⅲ義務違反の企業に対する公表規定の導入

Ⅳ高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針の策定

企業は65歳までの雇用を確保する義務が課せられ、次の3つのいずれかの措置をとらなければなりません。

①定年の延長(65歳以上に引き延ばす)

②継続雇用制度の導入(一度退職し再雇用するなど)

③定年の定めの廃止

この2つの法律の施行は、企業の総人件費問題との関係もあり色々なところに歪をつくっていくであろうと推測されます。

まず、企業が置かれている状況をみると

・国内消費の落ち込み

・高い法人税

・高い燃料費

・高い人件費と硬直した労働市場

・グローバル企業との競争

などいろいろな面で厳しい経営環境にあります。

そこで、この2つの法律が施行されれば

1.新卒採用の自粛による人材のアンバランス化

2.神速採用を継続したばあい、総人件費を変えなければ働き盛り

  の給与の伸び悩みによりモチベーション低下

3.海外への企業移転が加速

4.若年層失業率のアップ

というような事態が考えられます。

会社のエネルギーやモチベーションを落とさず、人材ポートフォリオのバランスを考慮し、コストも抑えていくためには、かなり慎重で難しい人材戦略が求められます。

短期的な対応でこの2つの問題に対応すると、後々の経営を担う人材に影響を及ぼしかねないので、まずは人材の将来ビジョンを基軸に持つ必要があります。

企業は、競争の真っただ中にありグローバル経済の中で生き残っていかなければなりません。

社会主義政策とも思える政府の雇用政策は、決して日本経済を強くするものとは思えませんが、しっかり対応していきましょう。