経営戦略におけるリスク許容度

2013年2月18日(月曜日)

世間一般で、「これはリスクが高い」という表現をする場合は、「これはとても危険だ」という意味合いで使われていることが多いと思います。

しかし、ファイナンスにおける投資理論からいいますと「これはリスクが高い」というのは、「これは不確実性が高い」という意味になります。

つまり「儲かる可能性があり、儲からない可能性もある」という意味です。

いわゆる「ブレ」があるということです。

この理論を基に考えた場合、私の想像するところで、リスクがゼロというのは「人間は死に至る」ということだけのような気がします。

つまり、人間の死は100%確実であるという点で「リスクはゼロ」ということになります。

100%実現が確保されている場合はリスク=0となります。

必ず100円損するというのもリスク=0です。

でも、このようなことは経営戦略上でビジネスの投資を判断する場合には100%のことなど通常ありません。

すべての投資にはリスク(不確実性)が存在します。

今やリスクフリーといわれていた日本の国債でもリスクは存在します。

日本の金融機関はすべて、預かった預金を相当部分国債に回していますので、国債がデフォルトになった場合、ペイオフ制度など関係なく預金は危険な状態になります。

当座預金は、決済に使われるので対象になりませんが、利子の付く定期預金や普通預金は影響をうけます。ペイオフの1000万円以下は戻ってくると思っている方は、考え方を改めたほうがいいです。

個人の預金でも、「決済性預金」というものは存在します。

それは、利子が付きませんが当座預金と同じように「アンタッチャブルな預金」となりますので御一考を。

話がだいぶずれました。

経営戦略上のリスクについてお話しします。

ビジネスにおいてリスクを取って投資をするということは基本的にこういうことです。

投資案件が稼働した場合のキャッシュインのすべてを現在価値に割り引いて現在価値を算出します。

そして計算された金額ー投資額=+であれば投資を実施するというのが基本的な投資の考え方です。

しかし忘れてならないのは、投資案件が稼働した場合のキャッシュインについては、リスクのブレも計算に入れておくことです。

好景気のばあい、普通の場合、景気低迷の場合といういくつかのパターンを始め、業界、会社のライフサイクル等等を計算して、ファイナンス上耐えうるリスク許容度を計算する必要があります。

会社は、借金がいくらあっても倒産しませんが、資金が回らなくなったら倒産してしまいます。

では、投資に対して、リスク許容度の高い会社とはどのような会社でしょうか。

1.キャッシュリッチであること

2.人材を中心とする無形資産がリッチであること

3.金融機関をはじめとする利害関係者の信用 がリッチであること

1と2については、説明の余地はないと思いますが、2について補足したいと思います。

金融機関をはじめとする利害関係者の信用とは

①実績をしっかり作っている

②ビジョンがしっかりしていて組織に浸透されている

③ビジョンと投資がリンクしている

④投資に対して積極的で、かつ計画的である。

⑤投資に対してシナジー(相乗効果)を正確に計算できている

⑥投資に対して説明責任を果たしてくれる

このような常日頃の利害関係者との関係づくりがとても大切です。

ビジネスには、投資は絶対に必要です。

ビジネスは、現状維持の意識が芽生えた瞬間から、後退を意味します。

なぜなら、社会は現状を維持しないからです。

キャッシュが豊富な会社はいいとして、そうでなければ利害関係者(従業員含む)との信頼関係が投資のリスク許容度をあげてくれます。