2013年

2月

22日

戦略的組織マネジメント

2013年2月22日(金曜日)

日本の戦後から続いてきた企業の人事制度が、枠組み的に軋みを持って崩壊し始めていることは、マネジメントの方も働いている方も感じていることと思います。

そして、これからどういう人材マネジメントが必要になっているのかということを、真剣に人事部だけではなく企業のトップとして考えていることと思います。

まず、旧来型の人材マネジメントの大きな特徴をあげます。

1.終身雇用

2.一律処遇

3.年功序列

この3つが、高度成長期において安定的に従業員を確保し、またビジネスの答えがある程度明確にあった時代に、大変機能したものでした。

この人材マネジメントの思想は、若いうちはあまり給料は高くはないけれど、年々昇給や昇進をしていくので、長期にわたって会社に居続けることで将来を保証する、というような思想になっています。

そして、バブル崩壊までは、この思想の下に日本企業が世界的にも希に見る経済成長を支えてきたことは事実です。

しかし、ビジネスの答えが明確で企業の成長がある程度確実であったという前提条件が変わってしまったことはご存じのとおりです。

この前提が変わってしまったことで、企業は人材マネジメントを成果報酬型に変更するというようなテクニカルな変更をしていますが、最も基本になる人材マネジメントの思想という部分を変えなければ、全体の軋みをさらに複雑にするというような結果をもたらします。

私は、今企業のトップと人事部が協力して「会社と個人の関係を抜本的に見直す」ということをお勧めしています。

今までの人事制度において会社と個人の関係は、いわば、自由度は少ないが責任もあまり問われない、というような家族的な関係であったと思います。

そこでは、やはり甘えの構造というのがどうしても出てきます。

これを、将来のビジネスが不確定な現代で許容することはもう不可能な時代となりました。

そこで、これからの企業と個人の関係は「自由と自己責任の原則」をもって、企業と個人の間に一定の距離と緊張感を持つべきだと思っています。

つまり、企業と個人は対等のビジネスパートナーであるという思想を人材マネジメントの基本に据えて、採用・配置・発掘・育成・選抜・活性化そして入れ替えというプロセスを作り上げる必要があると思います。

企業は、中長期戦略を明確にしたら、その戦略を実行するためには、いかなる人材が必要で、それは育成するのか、採用するのか、アウトソーシングするのかという、必要人材のポートフォリオを作成することがこれから求められます。

また、過去は全体の底上げという考え方で一律に処遇するということで成功してきましたが、これからの不確定で変化の激しい時代では、コアの人材をいかに確保して、企業の業績を引っ張っていける体制を作るかということも重要になっています。

新たな時代の新たな人材マネジメントは、人材マネジメントの思想を新しいものにすることから始め、一気に変更するのではなく、計画的にある程度の時間をかけて変更していく必要があります。