2013年

2月

26日

リーダーが直面するトレードオフ

2013年2月27日(水曜日)

組織のリーダーは、ビジョンの実現に向けて、効果的な戦略を描き、明確な目標を定めて、人を導いて成果を出すというサイクルを実行する人です。

リーダーは常に成果が求められますが、その成果を達成するための選択肢はたくさん存在します。

そしてリーダーがどのような行動をとるかについては、常に選択肢のなかでトレードオフが発生します。

ものごとには、すべて表の面と裏の面があり、また将来的と短期的というトレードオフをいれるとますます判断に迷うことになります。

リーダーが直面するトレードオフには大きく分けて5つの種類があります。

1.効率Vs感情(モチベーション)

これは組織全体の効率の最大化と、個人のモチベーションの最大化という2つのトレードオフになります。効率ばかり追求していて個人の感情をないがしろにすると、モチベーションが下がって全体として高いパフォーマンスを出せなくなるという事態です。

効率重視でマニアル化を徹底してしまうと、自分で工夫するというモチベーションをなくしてしまいます。 

 

2.受容Vs支配

これは市場に対してどう対応するかという問題です。

市場の顧客への貢献や顧客のニーズに対して臨機応変な対応を受容することと同時に、市場内での顧客や競合状況のコントロールを失わないようにバランスを取ることが求められます。

組織が持つ資源が限られている中で、有効な市場活動を行おうとすれば、顧客のすべてのニーズに応えることはできません。

しかし、今の世の中、マークアップの価格設定も通用しません。

 

3.短期Vs長期

短期利潤の追求だけでは、将来の環境変化に対して対応ができなくなる恐れがあり、逆に長期的視点でばかりものごとを判断していると、足元をすくわれるような事態が発生します。この短期と長期を見据えた判断はリーダーの最も難しいトレードオフとも言えます。

 

4.論理Vs感覚

これは、ものごとの判断基準にかかわるリーダーのトレードオフです。

論理や合性によって導き出された「正解」は、説得性が高いというメリットがありますが、独自性に欠けるなどのデメリットもあります。逆に「感性」や「感覚」だけの判断では、持続性に欠けるというデメリットがあります。

これに関しては、「極限まで論理追求された感性を持つ」という意識が求められます。

 

5.分化Vs統合

これは組織管理おけるリーダーのトレードオフになります。

組織をデザインする上で、組織が拡大してきますと専門分化する必要があります。

組織を細分化し専門化していけばいくほど、部分最適に向かう力が強くなり、全体の統合性が侵されるという事態になりますが、統合ばかりに気を取られていては、環境変化に対するスピード感がなくなってしまうという問題が発生します。

 

これらにプラスして「緊急」Vs「重要」というようなトレードオフもあり、リーダーはトレードオフの荒海の中にいるといっても過言ではありません。

そして、このトレードオフに対応する場合、単に真ん中を取ればバランスが取れているかというとそうではありません。

その判断を行う場合は、置かれている外部環境と内部資源とを理解し、そこにタイミングを加味したうえで、思い切って一方に舵を大きくとることも求められます。

これには、こうすればいいというような正解はなく、また過去の経験でうまくいったからと言って今回もうまくいくとは限りません。

前提条件は何か?制約条件は何か?タイミングはいつか?という3つを加味したうえで、どれくらい、どちらに舵を取るのかというハイレベルな大局観が求められるものです。

トレードオフを絶妙なバランス感覚で乗り切れるリーダーこそ、真のリーダーと言えるのではないでしょうか。