BYODの浸透

2013年3月5日(火曜日)

欧米の企業を中心に、BYODが企業と社員の間で進行しています。

BYODは、Bring Your Own Deviceの略で、個人の端末機器を持ち込み、業務に使用することをいいます。

もともとは、BYOB(Bring Your Own Bottle)というパーティーなどで飲み物を自分で持ってくる、というような言葉からきているようで、西洋のパーティーでの持ち寄り合いの習慣からきているようです。

私物の端末を企業内での業務に使うという動きは、数年前から米国を中心に海外で盛んになっており、日本でも一部の企業が取り入れ始めています。

こうした動きの背景には、いくつかの要因があります。

1.パソコンと同等の機能を備え、どこででもネットワークに接続

  できるスマートフォンやタブレット端末の普及

2.端末の種類を問わずに利用可能なクラウド型サービスの普及

が背景にあります。

これら私物端末の方が、企業で支給されるガラケーよりも高性能であるケースが珍しくなくなってきています。

BYOD導入のメリット

1.従業員が自分の使い慣れた端末で、情報管理を一本化できるた

  め、業務効率の向上に結び付く

  (会社のガラケーと私物のスマホを持つのは苦痛です)

2.自宅や出張時に活用することで、使い勝手の良い在宅・遠隔勤

  務環境を構築できる。

3.企業が従業員に端末を支給しないで済むため、コストの削減の

  効果が期待できる

 しかしその一方で、企業のネットワーク・システム管理者にとってはセキュリティ上の懸念がある。

この懸念があるがゆえに、これまではうかつに私物端末の利用を許可できなかったという問題がありました。

それがここにきて、私物端末を企業名でも安全に、かつ利便性を失わない形で利用可能にするツールが相次ぎ登場しています。

この新しいシステムでは、ユーザー端末の種類、アプリケーションの種類、場所などの総合的な情報を企業のセキュリティ・ポリシーと照らし合わせ、適切なアクセス制御を実施することができます。

企業の機密情報を入れたスマートフォンやタブレット端末を落としたり盗まれたりして情報漏えいを引き起こす懸念もありますが、この場合には、リモートから端末の情報を削除したり端末にロックをかけたりできるMDM(Mobile Device Management)と呼ぶツールが有効になります。

ただし、こうしたシステム面での対策の他にも、私物端末による業務活動を前提にする、端末購入費や通信費に対してある程度の補助が必要になると考えられます。

また、高性能な機種が次々と出されることから、新しい機種が正しく利用できるか検証するためのIT管理者の手間とコストも考慮していく必要があります。

さらに、ディバイス内にある従業員のプライバシー情報の取り扱等も明確にしておく必要があります。

しかし一番の問題は、公私の区別をどうするかという問題です。

西欧では、基本的に会社と従業員が対等の関係でビジネスライクにふるまうという土壌を持って普及しています。

そして西欧でも、普及している企業の社員には自己管理能力と高いセキュリティ意識というものが浸透できている企業だけが採用していると思われます。

しかし、日本では、この辺が非常に「あいまい」のまま、企業と従業員の関係があります。

「サービス残業」だったり、「有給休暇を使わない」だったりするということは、公私混同と根っこはかなり近い部分であると私は思っています。

この日本的「馴れ合い」「もたれ合い」の関係が、「企業対個人企業」の関係になったとき、どこでもいつでも仕事ができるシステムとディバイスを活用して、結果を出せる組織ができるのではないでしょうか。