2013年

3月

06日

経営を担うコア人材におけるメタ認知能力

2013年3月8日(金曜日)

昨日は、経営を担うコア人材の資質をお話ししましたが、今日は、そのコア人材のパーソナリティーで重要な点をお話ししたいと思います。

1.一般的な正解に逃げこまない強さ

経営コンサルタントをしていますと、経営者のトップの方でも、「あの、その場合の正解は何ですか?」という質問をされることがあります。

しかし、ビジネスには正解がないというのが私の答えです。

「スーパーやGMSで、格安に食品や日用品を大安売りをしている時に、コンビニエンスが成功するなんて誰も思っていませんでした」

「ビールが発泡酒や第3のビールにシェアを奪われている時に、サントリーのプレミアムモルツは高級ビールでヒットしました」

「正解を求めようとすると、無難という罠に陥り、過当競争の真っただ中に自らポジショニングすることになります」

ということです。

 

正解とは、数学のように、世界中のだれがやっても、どこでやっても、いつやっても、すべての条件が同じであるという約束があるから正解があるのであって、条件が少しでも違えば正解はなくなってしまいます。

ましてや、ビジネスのように相対的な環境や駆け引き、さらに自社がもつ経営資源の違いなどを考えると、ある会社ではうまくいってもこの会社では難しいということは日常茶飯事です。

したがって、環境を分析し、自社の経営資源を把握し、自社だけの答えを作り上げることを丁寧に実践していく思考が重要になってきます。

2.メタ認知能力の高さ

メタとは「超越」や「一段上」を意味します。

メタ認知とは、自らの認知を一段高い場面から冷静に認知することを言います。

「私は、桐谷美鈴が好きだ。(認知)でも、それは高嶺の花だよな(メタ認知)」

下世話な例でもうわけありませんでしたが、要は、自分の主体的認知を自分から一歩離れたところで冷静に客観的に見て認識できる力です。

「自分は会社に行くのにこの道を通っている。(認知)でも、こちらの道を通ることで、昼食も買っていった方が時間を有効に使えると思う。(メタ認知)」

このように、メタ認知は人間が学習し成長していくための非常に重要な学習のプロセスです。

「うちの店は、本屋だ。(認知)でも、楽しいうるおいのある生活を提供するという考えてあれば、関連したグッズをそろえたセレクトショップになることで、より楽しい店が作れるのではないか?(メタ認知)」

というように、現状を常に客観的に見つめ、新たな視点を加えることが「メタ認知を利用したダブル・ループ学習」の基本となります。

1.事実を客観的に把握する

2.新たな仮説を立てる

3.実行する

4.実行の結果を検証する

5.検証の結果を自分の思い込みや偏見にフィードバックする

この繰り返しを、常に客観的に行う癖を持っている人は、「気づき」と「学び」を繰り返すことで非常に高く安定した思考プロセスを持つことが可能になります。

そして、それは周りの組織にフィードバックされると同時に、その思考プロセスそのものが、組織の思考プロセスへと拡大していくのです。

これは、松下幸之助の「素直なこころ」にも通じますし、勝負の世界の「大局観」にもつながります。

客観的にまっさらな目で事実を見つめ、仮説を立て、実行する、そして現在の認知に冷静にフィードバックすることを繰り返す癖がついた人がメタ認知能力の高い人です。