新時代の人材戦略

2013年3月14日(木曜日)

人材戦略について、1か月の間、お話しさせていただいていますが、グローバル化が進み変化が激しく、そして知識集約型の仕事に移行した現在、人材戦略上もっとも基本的で重要な考え方は、「人材を一つのかたまりとして見るのではなく、個人個人の集まりとして捉える」ということです。

どういうことかといいますと、今までは一律処遇というある意味で平等思考という扱い方を人材に対してなされてきました。

したがって、同期で入社した人たちは、若干の差はあるにしても常にバランスされて、年功という名の基に昇進・昇給の差をあまりつけないように配慮されてきました。

これは、前からお話ししているように「先進国キャッチアップ追随型」の「明確に見えていることをよりよくやる」という仕事の場合に有効に機能する人材戦略でありました。

しかし、日本が先進国のトップクラスの仲間入りし、給与水準もトップクラスになり、さらにアジアを中心とする新興国が、「先進国キャッチアップ追随型」で低い賃金で猛烈な勢いで追い上げてきている現在、今までの加工貿易型のビジネスモデルが通用しなくなりました。

そして、新たな価値を創造し、その付加価値によって新興国との明確な差別化を図っていく必要が出てきたわけです。

こうした時代は、「新しい価値を創造できる数少ない人間」が重要性を増していることはもうすでにお気づきのことと思います。

したがって、こうした時代に必要になってくるのは、人材を一つのかたまりとして見るのではなく、組織ー個人の関係の集合体として見る考え方が不可欠になってきます。

公平性と透明性は確保されることを条件として、明確な要件と基準の下に、能力によって処遇に差がつくということを計画的に人材マネジメントに組み入れていくことが必要になります。

もうすでに、グローバル企業は国、人種、性別、年齢、宗教を超えてCEOをはじめとするボードメンバーが構成されています。

それは、ダイバーシティな多様性を持った組織であり、違った考え方や意見・行動パターンを持ち寄って、決してガラパゴスなどにならないスキームを作ってきています。

また個人も、自らを一つの企業として自覚し、企業と対等の立場で付加価値創造のために協力するパートナーとして、甘えず媚びずという姿勢が求められるようになります。

これは、企業がグローバル競争に直面している限り、間違いなく人材戦略もグローバルな考え方にならざるを得ないことを意味しています。