リーン・スタートアップ

2013年3月18日(月曜日)

いよいよ、桜のつぼみもほころび始めました。

この季節は、卒業、入学、退社、入社、引越しなど、別れと出会いの季節で、感傷的な気分と、これから始まる新しい生活に対する期待への高揚感が交差した季節になります。

新しいスタートということで、今日は新しく起業しての事業スタートでも、老舗企業の中の新事業でも最近使われる言葉として、「リーン・スタートアップ」についてお話しします。

これは、米国で多くのベンチャー企業を立ち上げた企業であり、現在ハーバード・ビジネス・スクールで教鞭をとっている、エリック・リース氏が2008年に、事業のスタートアップの方法論として提唱したものです。

その後、彼は本を出版し「Lean Start Up」というそのままのタイトルでベストセラーになっています。

日本でも、同じタイトルで販売されています。

Leanの意味ですが、「もたれる、寄り掛かる」という意味もありますがもう一つの意味の「むだのない、脂肪がない」という意味でエリック・リースは使っています。

つまり、「無駄のない」「細身の」「動きの速い」「反応が速い」というスタートアップというイメージになります。

本の帯に描かれている文字は、「思い込みを捨てて顧客から学ぼう」「構築⇒計測⇒学習」というフィードバックループを通して、顧客も製品・サービスも生み出し育てるシリコンバレー発、注目のマネージメント法。というコピーを入れています。

シリコンバレーでは、アップル、マイクロソフト、グーグル、アマゾン、フェースブック、ヤフーその他、ハードもソフトも含めて、起業家たちが「アメリカン・ドリーム」を飛び越えて、「グローバル・ドリーム」を短期間で実現しているというサクセス・ストーリーが数多くあります。

しかし、世界中から、そのような夢を追いかけて集まっているハイレベルな起業家の失敗の屍の上に、そのブランド名は輝いているといえます。

昨日の成功は、今日の成功ではないということで短期間での成功は、短期間での没落を意味しているとも言えます。

時代は、人が求める求めないにもかかわらず、競争によってめまぐるしい短期の製品・サービスの提供が行われ、それを手にしたユーザーは更なる変化への期待をいだくという、ものすごい時代に来てしまったわけです。

そのような時代に、事業を始めるということは、何年もかけて企画して、プロトタイプを創って、会社の面倒な手続きを経て、また検討して、マーケティング会社に依頼して調査して、また会社でその結果をフィードバックして、プロトタイプの修正をして、会社で検討する、というようなことをして、念には念を入れて完全に売れるかどうかを社内で煮詰めてから市場に出すということでは、その段階では市場のニーズは次のフェーズに行ってしまったなどという結果になってしまいます。

このような、いままでのスタートアップのやり方は、「時間」と「コスト」の両方を多く使ったモデルでした。

企業が大きくなればなるほど、失敗しないようにと、そういう流れになっていきがちになります。

まったく顕在化していない潜在ニーズに対して、売れるか売れるかもよくわからない製品・サービスを世に出したいが、時間とコストは限られているという前提条件に立った現在に「リーン・スタートアップ」は注目されたわけです。

要は、完成したものができるまでは、世には出さないという発想ではなく、ある程度の段階で小さいレベルでマーケットに出していき、マーケットとコミュニケーションを常に図りながら、修正を繰り返していくことで、マーケットに製品を完成してもらうという発想をもって、軽く素早い動きで雪だるまを作りこんでいくイメージで事業をスタートするというイメージでしょうか。

リーン・スタートアップで重要なこと

1.仮説重視⇒検証⇒学習のサイクルを常に回すこと

2.小さな失敗を歓迎する気持ちと謙虚に学ぶこと

3.市場に自分の仮説を小さくてもいいから見せてしまうこと

4.変な思い込みをすてて市場の意見をしっかり聞くこと

5.時間を区切って、その時点で予定をクリアしなければ潔く

  あきらめること

6.予定をクリアして臨界点をこえたら一気に攻勢をかけること

7.スピード感の維持と、走りながら1を常に回すこと

このシリコンバレー発スタートアップは、事業環境の変化が激しいという前提条件の場合、とても参考になる考え方です。

一番の重要な点は、「プロダクト・アウトで完璧な製品を提供する発想から、仮説立案をもとに真理を現場で追及していく敏腕刑事型の現場発想でいく」ということではないかと思います。