心理学と人材マネジメント

2013年3月19日(火曜日)

人材マネジメントは、過去、終身雇用というシステムの中で「価値基準の刷り込み」「自己犠牲による和」をもって、給与・昇給・昇進という外的報酬を従業員に与えることによってコントロールを図ってきました。

そして、「皆と同じでいたい、皆とおんなじように認められたい」というものに対して「職能資格制度」というモチベーション維持マネージメントが行われました。

この制度の中では、ポストにつかなくてもポストに就けるだけの能力が認められれば、「給与は同じでいいし、何らかの肩書を名乗ってもいい」というような「自我欲求」に対応するマネジメントがなされました。

しかし、その後バブルが崩壊すると一挙に「成果主義制度」が導入されることになりました。これによって、「他の人よりも優れている」という「承認と尊敬の欲求」一段と高い欲求をマネジメントすることで従業員のモチベーションと、全体の人件費の上昇を抑えるという2つの目的を達成しようとしました。

そして現在に至るわけですが、バブル崩壊後、成熟した先進国となり人口動態も成熟したこと、そしてグローバル化もあいまって、働く人たちの欲求が物理的なものから心理的なものに大きくシフトしています。

まず、いままでの「人と同じように認められたい(自我欲求)」「他人よりも優れていると認められたい(承認と尊敬の欲求)」というようなものは、欠乏に対する欲求であり欠乏を埋めることを対象にしたものです。

また、給料・昇進・昇格という「外的報酬」は自我欲求と承認と尊敬の欲求とシンクロして、「相対的満足」を中心として他人との比較において満足度が変わるというものでした。

しかし、成熟した現代社会では、「欠乏欲求」と「外的報酬」を中心としたものは、働く場合の衛生要因(ないと不満だがあってもモチベーションにつながらない)であっても、強い動機とはならなくなっています。

特に、優秀な人材のモチベーションを高めていくためには、「自己実現欲求(成長欲求)」と「内的報酬(仕事自体の報酬性)」を心理学の観点を入れながらマネジメントしていくことが必要になります。

従業員個人の「価値観」「ライフスタイル」「仕事への意識」など多様化と関係性の変化などの企業の特性を理解することが、効果的な人材マネジメントを行う上で必要になっています。