グローバル人材の資質

2013年3月27日(水曜日)

先週ぐらいに新聞の記事で、流通・外食産業が2014年度の大学卒の新卒採用を2割増やすという記事がありました。

これは、外食の大手チェーンとコンビニエンス・ストアの大手が国内の出店を積極的に増やすという部分と、国内の人口が減ることで胃袋自体の総量がへることから、成長著しいアジアなどの海外展開をするためのグローバル人材を求めているという2つのニーズからなっています。

そこで、今日は、海外展開でのグローバル人材の資質についてお話ししたいと思います。

個人的に、私がグローバル人材の理想的な人をあげるとすれば、ニューヨークヤンキースのイチロー選手ではないかと思います。

彼は、自分を大切にし、自分の頭で考え、自分で行動し、そしてその責任をとるという「自律と自由と自己責任」の思想を貫いているように思えます。

イチロー選手がまたすごいところは、彼が所属するチームはもちろん大リーグ全体ならびに、大リーグファンからもリスペクトされているということです。

ニューヨークヤンキースに移籍して、シアトルマリナーズと試合をすることになってセーフコ・フィールドに敵軍として戻ってきた糸ちろーをシアトルマリナーズのファンは、イチロー選手をブーイングではなくスタンディング・オーベーションで迎えたといいます。

これは、イチロー選手が自らを大切にし、それと同じようにチームメイトを大切にし、そしてファンも大切にするという、個人のアイデンティティの基本を持っているからにほかなりません。

イチロー選手論になってしましましたが、一般的な日本人が、グローバル人材になかなかなれない理由は、この「自律と自由と自己責任」を持ったさまざまな「個人」の集合体が「場」を形成するという発想ではなく、最初に「場」という予定調和の中に個人が付随し「和」を持って尊しとして、個人をなるべく押し出さず「場」の中での存在意義を求める。ということからきていると思っています。

日本という場の中で、単一民族の予定調和型の思考が染みついていると、なかなかグローバルな思考になれないものです。

しかし、自分と真剣に向き合い、自分の本当にやりたいことを持って生きようとしたとき、自らを大切にして、同じように他の人もリスペクトできる「個人」の集合が全体を形成しているという思考になれると思います。

つまり、「場」という予定調和の結論ありきではなく、自分も含めたダイバーシティな「個人」の集合が、家族であり、地域であり、会社であり、国であるという考え方を持つことが最も基本的で最も重要なことだと私は思います。

グローバル人材については

・アイデンティティと受容性

・積極性・ディベート力

・語学・コミュニケーション

・リーダーシップ

などの資質が必要であるということが言われます。

これは、本当に必要なことです。

しかし、これらの資質を支える根本の思想は、「自律と自由と自己責任」ではないかと思います。

ダイバーシティ(多様性)の世界では、個人のアイデンティティが重要になってきます。

「あなたは何者で、何を提案できるのか?」というフレーズを常に問い続け、自分自身と向き合うことが必要になります。

また、海外へ行ったり、違う文化と接した時に「非連続」な状況となりますが、この「非連続」な状況を乗り越えられるのは「場」での経験ではなく、やはり「個人」として突破力です。

来年の春に、グローバル人材として新卒で入社する皆さんには、語学力などのテクニカルな能力だけではなく、根本的なダイバーシティな「自分」というものと、一度じっくりと向き合ってみていただきたいと思います。