スポーツマネジメントに学ぶモチベーション向上

2013年6月10日(月曜日)

今年も6月に入り、新入社員の方もようやく会社の全体像が少しずつ理解できてきたところだと思います。

彼らは、デジタルネイティブ世代であり、コミュニケーションもSNSなどを中心として育った、ITが生活のインフラとして当然のように存在する環境の中で育った人たちであります。

また、彼らは基本的に幼少時代から安全・衛生・利便性を含めた社会的インフラが整備された中で育っていることと、家庭内でも物質的にある程度満たされた中で育っている人が多いと思います。

そのような若い社員は、物の所有に対して我々ほど強い執着がありませんし、また、我々のように会社の中で人に負けないように出世したいという願望もあまり強くありません。

そうした人たちにいかにモチベーションをもって成長してもらえるかは、今までのモチベーション向上策を基本から考え直さなければならくなっています。

モチベーションを高めるには、報酬が必要です。

そして報酬には2つの報酬のパターンがあります。

1.外的報酬

  金銭的報酬、昇進、昇給、褒賞などです。

2.内的報酬

  成長、楽しい、協力、自己価値の認識、仲間からの承認、仕事

高度成長期の社員というのは、会社の中で他人を蹴落としてでも高い給与、高いポスト、速い出世というような外的報酬を求めて働くということが中心でした。そして、一等地に自分の家を建て、3ナンバーの車を持ち、スポーツや旅行に家族と出かけるということを実現することがモチベーションの源であったので、外的報酬は効果的に作用しました。

しかし、若い社員にとってはそのようなどのような物を人より多くまたいいものを持つということがモチベーションの源泉にはなっていません。

家に帰れば、親のものとはいえ自分のものとして使える環境にありますし、親もそれを喜んで許容しています。

このような若い人たちには、外的報酬ではなく内的報酬を与えるような会社全体の制度が必要になってきます。

その際に、参考になるのがスポーツにおけるモチベーション向上の考え方です。

スポーツのモチベーション向上で大切にしているのは、「能力」と「楽しみ」と「興奮」と「チャレンジ」と「プレッシャー」をいかにその選手に合わせてマネジメントしていくかということです。

たとえば、能力とチャレンジについては、能力は高いのにチャレンジのレベルが低いと、選手は成長しないだけでなく退屈になってしまうということになりますし、その逆に能力よりもはるかに高いチャレンジをさせてしまうとプレッシャーに押しつぶされるということになります。

そして、スポーツにはフロー体験という選手の身体的・精神的に最高のレベルの状況があります。

それは、まったく時間間隔が無くなり、プレーに没頭するという体験で、集中力が高いレベルで持続し、そのことがとても楽しいという状態です。

そして、この状態は、自分の能力よりも少し高いチャレンジがあり、適度なプレッシャーと適度な興奮が必要となります。

つまり、仕事自体に没頭できる内的報酬を重要視することがこれから重要になってきます。

そして、チームスポーツと同じように、いろいろな人と協力して成し遂げる「人間の群れ本能」の根底にある喜びを醸し出す組織づくりも非常に重要なポイントです。これも内的報酬の一つです。

そして、これらの内的報酬を円滑に進めていくためのポイントは、オープンなコミュニケーション設計になります。

選手のニーズを理解し、選手の成長を助け、自分も成長することが会社の成長につながるという基本哲学が重要になります。

なぜなら、企業とは人の活動の集大成であり、企業の成長を生み出すのは人の成長であるという真実があるからです。