中小企業の事業承継

2013年7月1日(月曜日)

中小企業の事業承継が難しい時代になってきています。

中小企業においてはオーナー経営者が戦後会社を設立し、高度成長に乗って、会社をある程度の規模まで拡大してきましたが、2000年以降はグローバルやIT化などの経営環境の変化や、国内経済の悪化により業績が低迷している状況に置かれています。

中小企業と大企業との違いは、事業承継を考えた時に3つ存在します。

1.中小企業は経営者=大株主

2.中小企業は親族で承継される

3.中小企業は経営者の個人保障が多い

このような特徴に、経営環境のシビアさが加わったところに、経営者の高齢化が訪れるという事態になっています。

最近では、オーナー経営者が親族に経営を引き継いでもらいたいと思っても、

・自社株の相続

・負債の個人補償

・相続財産の分割

などの問題が立ちはだかり、承継の段階になって親子間の価値観の違いや、役員・従業員と承継者のリーダーシップなどの問題も発生しオーナー社長を中心に一体化していた組織が、バラバラな状態になってしまうという事態も多く発生しています。

したがって、中小企業の場合は承継は3つの承継をしっかり親族の後継者にさせていく必要があります。

そして承継するものは大きく3つあります。

1.自社株や個人保証や土地などの「資産・負債」の承継

2.役員や従業員を含む「組織」の承継

3.顧客や金融機関や取引先を含む「信用」の承継

これらを、承継するにははっきり言って5年~10年の時間が必要になることを認識していただきたいと思います。

この3つは、相互に関わり合っており、3つをバランスよく同時進行させなければ、お家騒動になる危険性をはらんでいます。

したがって、ゴールを明確に設定し、それぞれ「いつ」「なにを」「だれが」「どのように」行うかを洗い出し、3つの承継がシンクロナイズするように「プラン」しなければません。

たとえば、自社株の承継については、「生前贈与」「暦年課税制度」「株式譲渡制限規定」「議決権制限株式」「拒否権付き株式」「相続税・贈与税納税猶予制度」個人保証については「生命保険」などの戦術をいつどのように使うのか、後継者の組織内の「キャリア」はその株の承継と合わせてどのようにデザインするのか、そして、利害関係者の信用を後継者が獲得していくタイミングもリンクしておこなうことが、効果的であり、効率的でもあり、不可欠てもあります。

中小企業にとって、事業承継は非常に重要な問題でありながら、経営者の引退というネガティブな面でもあるため、先延ばし先延ばしにしてしまう傾向があります。

重要で先延ばししたくなる内容こそ、経営者自ら先頭を切って推進していかなければ、社内からは誰も発言できません。

10年という長期の大局観を持ってプランを作っていきましょう。