2013年

8月

17日

求人と求職のミスマッチ

2013年8月19日(月曜日)

文部省の発表によると、今年の春の大卒者のうち非正規雇用など「安定的な雇用に就いていない者」は約11万6000人で、前年に比べ約1万3000人減少したことが分かりました。今年の大卒者は55万8853人で全体の20.7%。前年に比べ2.2ポイント改善しましたが、依然5人に一人が「不安定」な状態であることがわかります。

人口動態からすると、若者の数が減り団塊の世代が大量に退職していくという状況からすれば、この不安定な状態は急激に改善していいはずですが、そうはなっていません。

その原因には複数の要因が考えられると思います。

1.機械化やロボット化による生産労働の減少

2.IT化デジタル化インターネット化による事務職労働の減少

3.グローバル化による求人の国際化

4.解雇することが非常に難しい日本の労働規制

5.求人と求職のミスマッチ

1~4までは以前にこのブログの中でも触れたと思いますので、

今日は、求人と求職のミスマッチについてお話ししたいと思います。

東日本大震災以来、復興に関して土木や建設といった専門家の人材が不足しており、求人は高い水準であるが人材が追いつかないという状況が続いています。特に現場を指揮する知識と経験を持った現場監督の人員が不足していて工事がはじめられないというようなことが起きてきます。

厚生労働省がまとめた「一般職業安定業務統計」から三井住友信託銀行調査部が作成した資料によると、震災後に求人と求職のミスマッチが拡大した職業のランキングを見ると

1.土木の職業

2.社会福祉専門の職業

3.商品販売の職業

4.建設の職業

5.建設・土木・測量技術者

がベスト5に挙げられ、復興を中心とする職業と、高齢化に伴い社会福祉の職業について人材が不足している状況が読み取れます。

一方、経済産業省の統計によれば、求職が求人を上回っているというミスマッチの順位は以下の通りです。

1.医療系事務

2.商品開発

3.商品企画

4.管理職(サービス系)

5.マーケティング

の順となっています。

イメージ的には、肉体的労働のイメージのある職業で人材が不足しており、頭脳系の仕事では人材は飽和しているという感じです。

ただし、高いレベルの頭脳系労働はIT分野では不足しており、また、高いレベルの営業スキルを持った人材なども不足しています。

企業のグローバル化により、グローバルで活躍できる人材も圧倒的に不足しています。

こうしてみると、職種という切り口で見た求人と求職のミスマッチと、人材の質という切り口で見たミスマッチの2つのミスマッチを解消するように、求人側と求職側がコミュニケーションを取る必要があると思われます。