2013年

12月

08日

組織とコミュニケーション

2013年12月8日(日曜日)

大企業でも、中小企業でも経営陣の方々とお話をしていますと、「いくら言っても最近の社員はわからない」ということばをお聞きします。

これは、家庭でも同じようなことが起きていて、親子の断絶などと言われているものです。

そうすると、親子でも兄弟でもない会社という組織で、経営者が言ったことを1回ですぐに理解して、そして、行動に移すなどということは、容易でないことはわかると思います。

しかし、「社長、この内容は、社員の皆さんに伝わっていないですよ」というと、「いや、それは、この前の会議で言ってある」という返事が返ってきます。

つまり、「言った」=「理解されている」という提供側の理論でコミュニケーションをしてしまっているからです。

これは、「どうして、うちの製品はこんなにいいのに、お客さんは買ってくれないのだろう」ということばと非常によく似ています。

つまり、提供者側からの理論で、社内にも市場にもコミュニケーションをしてしまっているからです。

マーケティングは市場とのコミュニケーションであると私は思っています。

市場の中の対象とする人を理解し、どのように思ってもらい、どのように行動してもらいたいかを、適切なコミュニケーションの中身つまりコンテンツを、どのチャネルを使って、いつ、どれだけ、どのようにコミュニケーションするかでマーケティングは決まります。

社内のコミュニケーションも、社員の状況を理解して、いつ、どれくらい、どのようにコミュニケーションするかが重要です。

市場と社員の違いは、強制力があるかどうかと、本来、同じ目的で集まっている組織であるということです。

しかし、会社内でコミュニケーションがうまくいかないという原因は4つぐらいあります。

一つ目は、目的が明確に浸透していないということです。

社長の言ったことが、何のために、何故やるべきなのかが伝えられていなくて、ルールやマニアルだけが伝えられていると、その解釈次第で違うことを行動してしまうということが起きてしまいます。

従って、まず、目的を明確にして、なぜ、それをするのかということを理解させることが必要です。

二つ目の原因は、言われたことが肚落ちしていないということです。

スポーツでも習い事でも、表面的にわかったことと、肚落ちして理解していることとでは、その行動に雲泥の差が出てきます。

肚落ちさせるためには、社長自らの経験談や、逆に、伝える人が理解しやすい比喩などを使って、「そういうことか」と、納得するまでコミュニケーションする能力を磨く必要があります。

三つ目の原因は、優先順位が明確になっていないということです。

重要なことも、些細なことも、社員にしてみれば「社長が言ったこと」で、同じです。

重要なことと、些細だけれど緊急性のあることを同時に伝えたら、社員は、必ず些細で緊急なことに対して行動します。そして、この些細で緊急なことというのが意外と多いという事実があり、重要なことは、その問題がせっぱつまってしまうまで放っておかれるということが頻発して、冒頭の社長の「社員はわかっていない」発言になってしまうということです。こうなると、この重要な問題を解決する選択肢が非常に狭くなって、高い代償を余儀なくされるということが発生します。

四つ目の原因は、このような重要な内容は、繰り返し何度も伝えることで、社長の本気度を伝えていく必要があります。

つまり、手を変え品を変えいろいろな方向から伝えて、肚落ちまで持っていくことが必要になります。

こうしてみると、コミュニケーションには需要なポイントがあることがわかります。

1.自分の思いを他人に伝えることは非常に難しいということを

  前提にする

2.人間は、都合のいい部分だけを聞きたがることを理解する

3.目的を明確に示すこと

4.相手の状況を理解して、相手に合わせて伝える

5.優先順位をつける(ポイントを明確にする)

6.重要な点は、肚落ちするまで何回でも伝え続ける

以上のことを理解して、今後の社内コミュニケーションを行っていただくことで、組織の運営がとてもスムーズになることを実感できると思います。