株価の乱高下のメカニズム

2014年2月2日(日曜日)

先週は、アメリカの株価や日本の株価などが乱高下しました。1日のうちに200円~500円程度、毎日上げ下げしているという状態ですが、ここにきて、下げが目立っているようです。

アルゼンチンのデフォルト懸念とか、トルコの大幅な金利上昇などがあり、新興国の成長鈍化などが懸念されて下げているというような報道が目立ちます。

そのような、リスクの状況に応じて株価や為替が不安定に動いているのですが、今日は、この世界の投資の構図を俯瞰的にみて私なりの勝手な見方をしてみたいと思います。

まず、世界で行われている投資というものの種類を見てみたいと思います。

投資をする資産というものは、大きく分けて2つ、安全資産とリスク資産に一般的に分かれます。

安全資産といえば、通常は銀行預金や格付けの高い国債などで、これは安全性が高い代わりにリターンが低いというものです。

リスク資産とは、株式、不動産、格付けの低い国際、そしてコモディティなどです。コモディティは、金、銀、原油、小麦、銅、アルミなどの貴金属や非鉄金属や穀物やエネルギーなどの現物を指します。これらは、一般的にハイリスク・ハイリターンと言われています。

また、為替などもリスク資産として一応位置づけられると思います。

このような資産を対象にして投資が行われます。

では、次にこのような資産に対してどのような人たちが投資をしているのか見てみたいと思います。

投資家は、大きく分けて2種類の投資家に分けられると思います。

1つは、個人投資家でありもう一方は機関投資家と言われるものです。

世界の投資マネーに占める個人投資家の存在感は低く、世界の資産運用に圧倒的な影響を与えているのは、機関投資家の方です。

世界には、現在、オイルマネーを含めて8,000兆円のマネーが動いているとされ、そのうち、常に新たな投資先を求めて世界中瞬時に動き回るお金が4,000兆円あると言われ、そのようなお金をホームレスマネーと呼んでいます。

つまり、このような瞬時に世界中を駆け巡る莫大な資金が動くことで、株価や為替などが乱高下しているとえます。そのようなホームレスマネーを動かしている機関投資家とはどういう人たちかというと、年金基金、生命保険会社、損害保険会社、銀行、信託銀行、投資銀行、証券会社、ヘッジファンド、バイアウトファンド、政府系投資ファンドなどが主な機関投資家と言えます。

このような機関投資家たちが、いろいろな世界の情勢を見ながら、リスクテイク的になるかリスクヘッジ(回避)的かになるかで、リスク資産と安全資産を行ったり来たりするわけです。

その結果、それぞれの価格が乱高下します。

全体の景気が良くなりそうであれば、リスクテイクに動いて、株やコモディティにお金が流れて株価上昇・原油高騰などが起き、国際価格が下落します。逆に、不感が広がるのではないかという気配があれば、高格付けの国債などにシフトして国際価格が上昇し株価が下落するという構図です。

そして、このようなシフトに大きく左右されるのが円という為替です。

現在、世界で最も金利の低い日本円は、世界中が、特に新興国などが景気が良くなりそうだとなったときには、円を借りて新興国通貨を買う(円を売る)ことで、その新興国の債権や株などに投資されます。そうすると、円の金利が1%で新興国の国債の金利が5%であれば4%のアービトラージ(鞘取り)が、大きな資金を持たずに借り入れで可能になります。これが、円キャリートレードと言われるものです。つまり、日本円は世界中でも借入金利の低い有り難い銀行のようなものです。ただし、これは個人投資家などはできません。こうしたことから、円という為替は、キャリートレードの資金となっている限り、世界の景気に左右される為替となっています。リスクテイクの流れでは円安に動き、リスクヘッジになると円高に振れるという、お金の流れの中間弁のような存在になっているのではないかと思います。

日本円を安全資産であるというような言い方をする人もいますが、私はただ単にうまく利用できる資金調達のお金という感じではないかと思っています。

このようなことから見ますと、機関投資家がリスクテイクの動きをすると、円を借りて投資先通貨を買うので円安に動く、その結果、円安に振れることで輸出企業の株が上がるというような図式が見えてきます。

最後に、株などへの投資をする場合にも、その企業の業績だけを見るのではなく、世界の機関投資家の動きがリスクに対してどのように動いているのかをよくウォッチしていないと、大きなお金が株式市場から退出した場合、業績には関係なく株価が下がるということになります。