2014年

2月

16日

外食産業にみる景気動向(2)

2014年2月16日(日曜日)

先週、「日本フードサービス協会」が発表した2013年の外食産業のデータを紹介しました。その冒頭で、大雪が降ると外食産業は大きな痛手であるというということを書かせていただきましたが、なんと、今週の週末も東京は大雪に見舞われました。2週間続けての大雪は外食だけでなく百貨店などにも大きな痛手となったようです。

書いている私も、実は、金曜日はゴルフの予定でしたが、前日に中止し、そのかわり、夜集まって食事会にしようということで居酒屋さんを予約したのですが、当日になってあまりの雪に帰りの交通機関が心配になり予約をキャンセルするという事態になってしまいました。

この2週連続での週末の大雪は年間売上に大きな影響を与えると思われます。

そして居酒屋業態は、先週紹介したデータの中でも昨年対比で最も大きなマイナスを出した業態であり、この大雪は泣きっ面に蜂と言いたくなるくらい厳しいものです。

では、その大きく落ち込んでいる居酒屋業態について、今週は突っ込んで分析していきたいと思います。

何故居酒屋さんがおちているか?を分析するために、居酒屋さんのメニューの主力である「酒」の販売推移をみていきたいと思います。

お酒の酒類全体がここのところ最も出荷された時期=平成8年と平成23年のデータを国税庁のHPから使用させていただき見ていきます。

                     (単位:1,000kl)

       平成8年   平成23年  対比

酒類合計          9657            8501          88.0%

清酒                1213              601          49.5%               

合成清酒              52               40           77.0%

連続式蒸留焼酎    403             433         107.4%

単式蒸留焼酎       286             487         169.2%

みりん                  89              98          110.1%        

ビール              6697           2690           40.2%

発泡酒                289             838          290.0%

果実酒                159             290          182.4%

甘味果実酒            12                 8           66.7%

ウィスキー           139              97           69.8%

ブランデー            34                 7           20.6%

リキュール           236           1871         792.8%

スピリッツ             30             233         776.7%

その他                   17             809       4758.8%

※連続式蒸留焼酎=甲類焼酎=アルコール度35度未満

※単式蒸留焼酎 =乙類焼酎=アルコール度35度~45度

このデータを単純分析でまとめてみますと

1.お酒を飲む量が15年間で大きく落ち込んでいる

2.お酒のニーズがビールとお酒と焼酎という寡占状態から、大き

  く分散傾向にある

この2つの状況を仮説を立てながら状況分析をしたいと思います。

この状況を、社会情勢と重ね合せて見ますと、平成8年のころは団塊世代が現役で会社勤めをバリバリやっているころで、仕事が終われば平日および週末に、会社の部下たちを引き連れて居酒屋に会社経費または自腹で「飲みニケーション」を盛んにやっていた最後の頃だと思います。

その団塊世代も、平成23年になると、もう現役から離れはじめ、また会社の経費での「飲みニケーション」文化も大きく減ってきてしまいました。そして、現在は、年齢や性別に関係なく割り勘文化になってきています。

割り勘文化になれば、「とりあえずビール」という同調形から、自分の飲みたいものを自分で決めて頼むという主体性を持ったオーダーになっていくのは当然のことになります。

また、食文化も多様化し、更に健康志向になったことにより、普通の居酒屋のニーズでは満足できない人が多くなっています。

また、最近は、チョイ飲みするのにファミリーレストランやチェーン店の中華レストランのほうが、安くて明るくて食事もできるということでそちらにも流れています。

つまり、居酒屋という存在がとても中途半端な存在になってきています。

おいしい日本食を食べながらおいしいお酒を飲むならば、日本食レストランに行くようになっています。それは、先週の業態別データでも明らかです。

居酒屋も、おいしい食事や多様なお酒を置くようになってきていますが、まだまだ、現代のニーズにマッチするまでのレベルには達していません。

居酒屋という名称で多くの顧客を集められたのは、会社やその他の組織の「飲みニケーションの場」として、食事やお酒を楽しむより、愚痴をこぼしたり本音を話したりする場としてのニーズあった時代だったからと言えるのではないでしょうか。

そのようなニーズはもちろんありますが、40代以下の人達は、それならば、ファミリーレストランのほうが、安くて明るくて食事もできるという、団塊世代とは違った選択肢を持つようになってきているのではないかと思います。

従って、居酒屋のこれからの活路は、総花的な集客をやめにして、明確な店舗コンセプトを確立して、そのターゲットに対して集中的にコミュニケーションするマーケティングと商品戦略が必要になっているのだと思います。