地価公示価格に見る情況分析

2014年3月23日(日曜日)

財務局が発表した平成26年地価公示価格は、全国平均では0.5%下落で、6年連続で前年を下回りました。

しかし、いろいろな報道を見ると下げ幅は縮小し上昇に転じるところが増加したので、これからは、地価は下げ止まり、上昇に向かうような報道がなされています。

それでは、今回の地価価格の状況を分析しながら見ていきたいと思います。

まず、上昇率の高かった地域を見て見ますと

1.東京・名古屋・大阪の三大都市圏

2.鉄道アクセス向上による駅前地域(金沢・リニアの名古屋)

3.震災地域の高台地域

このようなところが上昇率が高かったようです。

全体を俯瞰してみると、一番大きな現象は三大都市圏への集中傾向です。この傾向は少子高齢化と地域産業の衰退により引き起こされていると思われます。

特に農業県であるところの秋田では人口流出が止まらず、その結果地価も全国で最も下落しています。

農業だけではもちろん食べていけず、大企業の工場は国内から海外へと移転していき雇用が失われていることから、都市部での三次産業へ職を求める傾向は若い人を中心に今後さらに進んでいくと思われます。

三大都市圏は、全体で1.6%の上昇となっており、これは、6年ぶりということです。

これは、人口流入と消費税導入前の住宅建築とアベノミクス期待による投資マネーの流入が考えられます。

しかし、この三大都市圏でも中心集中傾向が高まっています。

むかし、高度成長期の頃は、郊外への人口拡散によるベッドタウン的なところの地価がどんどん上がっていきましたが、現在は、23区内と中核都市の部分が上昇率を高めています。

現在の傾向として都心の住宅地はもちろん、商業地での高層マンションへの人気が高くなっています。これを私は、団塊世代の郊外移転からの「都心回帰現象」と呼んでいます。

つまり、庭付きのマイホームとマイカーを追求した高度成長期に、子供を2人ぐらい持ち、郊外の一軒家で幸せな家庭を築くという夢を実現しましたが、子供たちが家を出ていき、夫婦二人きりで年老いて家も老朽化してくると、車社会の郊外よりも、都心のマンションのほうが、安心・安全・利便性の観点から住みやすいという訳です。

東京は、2020年にオリンピックも決まり、湾岸地区も上昇が顕著となっており、豊洲はもちろん勝どき・佃・晴海・青海なども高層マンションが雨後の竹の子のように立ち始めています。

このような状況から、地方の空き家率は年々上昇しており、10軒に1軒は空き家という地域も珍しくなくなってきています。

 今回のこの地価の上昇を見ると、私としては、今後、この改善傾向が続くとは考えにくいと思っています。

1.今回の上昇は消費税導入前の駆け込み部分が寄与している

2.東京オリンピック効果もカンフル剤でしかない

3.人口が減少していけば、基本的に土地需要も減少していく

4.海外の投資マネーも民間マネーが入ったところで売り抜ける

  可能性が大きい

では、どのようにしていくべきかということですが、まず、大都市圏では、グローバルビジネスの拠点としてのインフラを整えて、優秀な外国人が多く流入するような都市計画を進めることが重要になってきます。そして、それを阻害する規制を思い切って撤廃していくことです。

また、地方に関しては、中央集権的な一律の地方活性化ではなく、各地方に合わせた自立した地方自治を推進し、各地域がその地域に合った産業育成を自ら議論し、計画を立て、実行していくような方向性を明確にすべきだと思います。