2025年問題?

2014年4月6日(日曜日)

前回は、団塊の世代の方々が戦後の経済に大きな貢献と影響を与えてきたことをお話ししました。

一方で、この団塊の世代の方々が後期高齢者となる2025年について、問題として扱われています。

高度成長期は「金の卵」としてもてはやされた団塊の世代の方々が、問題児のように扱われるのは、とても、悲しく寂しいことです。

人が年を取ることは避けられないことで、自分では努力してもいかんともしがたい事実を問題とされるは、いじめでも最も陰惨なやりかたです。

2025年に団塊の世代の方々が75歳以上になることは、もう、40年以上前から、デモグラフィック・アナリシスで厚生労働省は把握していた事実であり、少子化の傾向も早い段階でわかっていたことです。

では、いま政府や厚生労働省が問題としている「2025年問題」とは何かについて簡単に説明したいと思います。

データは、社会保障制度改革国民会議より引用

              2012年      2025年

GDP           479.6兆円     610.6兆円

年金費用          53.8兆円     60.4兆円

医療費用          35.1兆円     54.0兆円

介護費用            8.4兆円               19.8兆円

子供子育て費用         4.8兆円               5.6兆円

その他費用           7.4兆円                 9.0兆円

というシミュレーションになっています。

この時期は、高齢者(65歳以上)が30%を超え、後期高齢者といわれる75歳以上の方々が20%を超えて、現在、2~3人で支えている年金制度も1~2で支えるという構図になっていくとされています。

つまり、社会保障費が今よりも増大する倒問題があるとしています。

そこで、税と社会保障の一体改革ということで、社会保障を税金を投入して維持していこうということで、財源となる税金の中でも最も景気に左右されない消費税増税をしている訳です。

しかし、ここには重大なジレンマが発生します。

まず、少子高齢化の日本国民が、上がる消費税をものともせず現在の消費を拡大または維持していけるかということです。

今の日本人は、高度成長期のような消費傾向はありませんし、20代から40代の人々も、借金をして耐久消費財をどんどん買うというライフスタイルではなく、所有から共有へという賢い消費傾向になっています。

そして、消費税増税分の所得増も全体としてはありません。

国民会議のシミュレーションでは、GDPは2012年の479.9兆円から2025年には610.6兆円となっていますが、消費税増税となれば、消費についてはかなりコンサバティブに見る必要があります。

前にも話をしたようにGDPの内訳は

GDP=国民消費+民間設備投資+政府財政支出+輸出ー輸入

です。

このなかで国民消費は、GDPの約60%を占めており最もインパクトの大きいものです。

現在アベノミクスで上向いているのは、政府財政支出です。つまり、税金を使ってGDPを上げようということです。輸出も伸びではいますが、それ以上に輸入が増加しているために貿易収支はマイナスとなっています。民間設備投資も国内では行われず海外に直接投資しているという方向性です。このことからシミュレーション通りの610.6兆円のGDPになるのかは不透明といえます。

もし、GDPが現在の500兆円前後のままだった場合、社会保障のGDPに占める負担割合は、現在の22.8%から30%近くになっていしまいます。

収入が増えずに、負担は増えていくということになれば、財政は一気に悪化することは家計を例にとっても一目瞭然です。特に、日本は将来からの借金をもうできないほど累積してしまっています。

こうなると、結果は明白であり負担を極力抑えていく必要があります。

年金では、「年金積立負担額を増やす」「支給年齢を上げる」「支給金額を減らす」という方向に行かざるを得ませんし、事実そうなってきています。

医療では、「入院期間の短縮」「セルフメディケーションの推進」と「病院と開業医の連携」などが求められていくでしょう。

介護では、「在宅介護」の方向性が示されています。

この状況を国民は感じており、将来に対して不安を持っています。

そうなると、当然、現在の消費よりも将来の不安に備えるという心理が働き、ますます、消費が減るという悪循環に陥ることになります。

ここ、10年のデフレ傾向はそうした不安心理がもたらした結果でもあります。

こうした先送りー先送りの結果、選択肢が非常に狭められこうするしか方法がないところまで改革を遅らせてしまうケースは、一般の会社でもよく見られることです。

やむなく倒産してしまう会社というにおいては、前提条件が変わっても、いつまでも高度成長期の前提条件の中で生産や営業を継続して、在庫を積み上げて利益は出ているように見えて、資金がショートするということがよくあります。これは、「景気が回復すれば」という自分では変えられない外部環境変化に要因を求めた結果です。

企業も政府も、問題を先延ばしするという体質を変え、最善と現状維持と最悪の3つのシナリオをもとに、早めの対応をする必要があります。