2014年

6月

08日

AKB48選抜総選挙にみるマーケティング

2014年6月8日(日曜日)

ここ2~3日雨の日が続いて、6月としては記録的な雨量になっているそうです。そんな中でも、昨日、味の素スタジアムで開催されたAKB48選抜総選挙イベントには、大雨の中そして厳戒態勢の中、全国のファンが駆けつけたようです。

このAKBという現象は本当にすごいとしか言いようがありません。

性別、年齢に関係なく支持層が多くいることも特徴です。

まずAKBに関して今までとの違いを見るとすれば、日本の芸能界においてあまり追求されてこなかったビジネスという考え方が徹底されています。

それは、提供側の理論で作られた商品から、消費者側の立場にたって作られている点が第1にみられます。

明確な競争と客観的な消費者評価を基にAKBは運営されています。そこには、通好みの采配などのわかりにくい提供側の論理が入らない明快さがあります。つまり、提供者側の裁量で売り込むのではなく、消費者に人気のあるものを提供するというお客様の立場にたったマーケット市場主義に徹しています。

この、プロダクトアウトからマーケットインの思想を芸能界に吹き込んだすばらしさがあります。

また、このAKBのコンセプトでニーズの変化をしっかりとらえている点は、手の届かないほどのアイドルを作るよりも、会いに行けるアイドルを作ったという点でしょう。

現代の若者は、昔と違ってとても現実的で堅実な考え方になっています。昔、我々が、海外に憧れたり、宇宙飛行に憧れたりとかいった「憧れ文化」ともいえる上昇志向と妄想志向はあまり見られません。それよりも、身近で確実なコスパのいいものを若者は手に入れようとします。そのニーズにAKBを秋葉原でリリースした点もすごいマーケティング能力です。

そして、放送の時代の一方通行のコミュニケーションから、インターネットなどの双方向コミュニケーションの時代に入り、若者たちはゲームでもそうですが、自分が参加することに価値を感じてきました。

そうした中で、会いに行けて自分が応援したくなるアイドルがいて、総選挙が開かれて、公平な自分の1票が決定権を持つとなれば自分のことのように必死になって応援するという仕組みを作っています。そうすると、提供側と消費側がもう一体です。

この「私の」「僕の」という消費者心理がマーケティングでは今最も重要なコンセプトです。

つまり、商品認知からはじまり試し買い、選択購買、定期購買、指名買いと段階を踏んで最後にロイヤルティを獲得し、そして「私のお店」「私のブランド」として企業を応援してくれるファンづくりが供給過多でモノ余りの時代に最も企業が求める消費者像なのです。

AKBはその点もしっかり作りこまれています。

ここまでくると、ネットワーク外部性という相乗効果が生まれてきます。

これは、人が大勢参加していることろに価値が生まれて、ますます商材も消費者も集まってくるということです。

さらに、私はAKBについてあまり詳しくはないのですが、聞くところによると、AKBの芸能事務所というものはなくて、それぞれの芸能事務所に所属しているタレントさんがAKBというプラットフォームに乗りファンを獲得できるシステムであると聞きます。

この点が事実なら、プラットフォームマーケティングを十分理解しているビジネスモデルとなっていると思います。

楽天市場のように、自分ではものを直接作ったり在庫したりはせずに、消費者が集まる場を創造して双方のニーズをソリューションするというビジネスモデルです。

まだまだ、研究すればマーケティングのポイントが見えてきそうな気がします。

このAKBの市場価値というのはどこまで拡大するのか、そして、次の新しいビジネスモデルをどのようにしていくのか興味があるところです。