我が国の人口動態

2014年6月15日(日曜日)

今日は、今、そしてこれからの日本経済に大きな影響を与える日本の人口動態についてお話ししたいと思います。

データは、「平成26年 我が国の人口動態―平成24年までの動向ー」

偏執発行 厚生労働省大臣官房統計情報部 から引用させていただいています。

この日本経済に影響する人口動態を、量と質の両面から俯瞰したいと思います。

まず「量」の問題です。

これは、自然増減というデータを基にしています。

自然増減=出生数-死亡数

我が国人口は、戦後一貫して人口が増加傾向で、特に昭和22年から24年の3年間では毎年150万人以上の人口増加がありました。

しかし、平成17年に初めて死亡数が出生数を上回り、18年はプラスとなったものの、平成19年からは6年連続でマイナスとなっており、このトレンドは今後ますます加速していくことは間違いありません。

つまり、人口が減少する=消費人口の減少ということになり、消費はGDPの60%超ということを考えると、経済の大きなマイナス要因となります。

ちなみに、平成24年10月1日の日本の総人口は、1億2752万人(常住外国人含む)です。

結論としては、一人あたりの消費金額を増やさないとGDPの消費部分が維持できないということになります。

これが「量」に関する日本の基本的な問題です。

次に「質」についてみたいと思います。

人口動態の質を見る際に、人口構成を年齢と性別に分けて各年齢の数を若い方から積み上げてピラミッドに例えて見ます。

昭和20年~30年のころは、この人口ピラミッドは文字通りピラミッドに近い形をしていましたが、編成24年のその形は、65歳以下では逆さ富士ならぬ逆さピラミッド状態になっています。

また、人口動態の質を見る際に、人口を3つの年齢層に分けて見ます。

1.老年人口(65歳以上)

2.生産年齢人口(15歳~64歳)

3.年少人口(0歳~14歳)

平成24年におけるそれぞれの構成比は、老年人口24.1%、生産年齢人口62.9%、年少人口13.0%となっています。

これが昭和の20~30年代を見ますと、老年人口は、5%程度、生産年齢人口60%程度、年少人口35%程度となっています。

生産年齢人口があまり変わらないのは、団塊の世代がまだ生産年齢人口に入っている部分があるからです。

これを見ますと、戦後昭和の頃は町中に子供があふれ、子供が赤ちゃんを背負いながら遊ぶ姿がそこらじゅうの路地で見られたことを思い出します。現在の街の状況と映像で比較するとその光景の変化に驚くことと思います。このころは、物が不足しており、食品を中心とする消費が旺盛であり、経済も成長しGDPも先進国レベルになっていき、家、自動車、家電など物質的豊かさを享受するようになっていきました。それは、すべてぜいたく品でありそれを持つことが精神的な豊かさとリンクしていました。その時代が過ぎて次にGDPを押しあげたのが旅行やレジャー・スポーツ・音楽などの「モノ」ではない豊かさです。これらは、すべてアメリカ型の先進国の生活スタイルを追いかけてきた産物です。

話しがすこし人口動態の「質」からはなれましたが、本題に戻したいと思います。

老年人口割合の増加、生産年齢割合の減少、年少人口の減少のトレンドは人口減少トレンドよりも大きな変化をこれからしていくことは間違いありません。

その原因を考えると、次のような事実があると思われます。

1.平均寿命の上昇

2.晩婚化・未婚化

3.1人当り出産数の減少

これは、一人当たりGDPが上がってきて、豊かな経済環境になると世界中で同じように起きている現象です。仕事があり、レジャーも欧化できて一人でも十分に暮らしていける状態になると、この傾向が出てきます。

ただ、日本ではそれが極端な現象となっているのです。

先進国でもフランスなどは出生数が改善されてきていますが、政策的な支援ももちろんありますが、最大の要素は婚外子が50%を超えていて、つまり結婚しないで子供を産むことに対して、戸籍がどうのとか法律的な制約がつかないことと、社会的にも結婚しないで子供を持つことに対する寛容さの2つがあるからだと考えています。

また話がそれてしまいましたが、老年人口の急増と生産年齢人口の減少、そして年少人口の減少は、消費にとって基本的にマイナスです。老年人口は基本的にモノをあまり消費しませんし食事の量も減ってきます。また生産年齢人口の減少も消費にとって基本的にマイナス要因です。また、物についてはコモディティ化が進んでおりシェアビジネスの発達によりモノを持つことの価値感が崩れつつあります。

この人口の量と質の変化が意味することは、このままいけば、GDPの60%を占める消費の量は間違いなく減っていくということです。

このGDPを維持するには、量でなくて金額を上げていくか、外国からの収入を増やさなくてはなりません。

そうするには、成熟社会に対応した質を追求した付加価値の高いモノやサービスを少子高齢化の先進国として創造していかなければなりません。

このクオリティ国家をめざすことこそ日本が世界に先駆けて実現していくべき道ではないでしょうか。