2014年

7月

13日

消費税増税後の景気を考える

2014年7月13日(日曜日)

2014年も前半が終了し、サッカーのワールドカップも決勝戦を残していますが日本のなかでの盛り上がりは日本の敗退により今は昔という感じです。

4月1日から導入された消費税導入からもはや3ヵ月以上が経過して、マスコミ的には消費税導入による景気減速は限定的であったという風潮が大勢を占めているように思えます。

大手企業の給与アップやボーナスの増額等も報道され、アベノミクスは順調に経緯しているかのように見えます。

しかし、消費税増税3%に対して所得が3%以上上がっているかというと、そのようなデータはなく給与の上昇は1%を切っている状況です。

これは、実質的な所得減です。

2年前までは、所得が減り続けていましたが物価も下落していましたのでなんとか生活を維持してきました。

この2つを見ると家計においては、苦しい状況は実質的にはあまり変わっていないのです。

人は、給与というものと物価というもについては、給与の多少の上下についてはとても敏感に反応しますが、物価については特に男性は鈍感です。給与が上がったから今までよりもお金を使おうという気持ちは分かりますが、それって、物価上昇に負いつているの?という意識があまりありません。

また、物価は円安もありエネルギーをはじめとする原材料の値上がりにより上昇していますし、建設業や飲食業などの人手不足によるコスト上昇でも値上がりしています。

私は、以前から、インフレーションにはいいインフレと悪いインフレがあるとこのブログで書いてきました。

いいインフレとは、所得が増えることにより今まで購入できなかったものを消費することによる需要の増加によるディマンド・プル型のインフレであり、悪いインフレとは人件費が上がることなく原材料が上がることによるコスト・プッシュ型インフレです。

現在の物価上昇に対して所得上昇が追い付いていない状況では、家計は実質所得減と同じですので、雰囲気は悪くないが家計は決して楽ではなく、消費を拡大できないという状況になっていると思います。

つまり、給与の上昇と物価の上昇と税金・医療・年金・介護などの上昇で

給与の上昇ー物価の上昇ー税金ー社会保険料=実質の所得の上昇であり、それが消費を増加させる原資であるという基本がない限りこのまま景気が上昇するとは思えません。

また、政府は、少子高齢化が進むことにより、医療費・年金・介護の3つの社会保障について最も人口の増加している高齢者並びに後期高齢者に対して負担を増やしたり、年金などは、徴収金額を増やす+受取年齢を先延ばしにする+受取金額を減額するという、往復ビンタにアッパーカットのような厳しい方向に行かざるを得なくなっています。これは、将来に対する不安を増大させることで、消費よりも貯蓄するというモチベーションを育むことになってしまいます。

そして、政府の成長戦略は、これらの閉塞感を打ち砕くようなインパクトのあるものがなく、オリンピックや財政支出といった昔の自民党の成功パターンの踏襲で、抜本的なものが少ない状況です。

制限のない金融緩和により円安になりましたが、貿易統計は輸入超が続いたままで、円安は大企業では恩恵がある程度ありましたが、中小企業や家計では、所得が上がらず物価は上がるという状態です。このままでは、いい雰囲気の景況感のメッキが剥がれ消費が落ち込むことにもなりかねません。

将来の不安をなくし、実質的な家計収支が改善できる思い切ったかじ取りが必要だと思います。

ただし、これを行うには改善レベルの施策では対応できませんので相当な痛みを国民全体で分かち合うことを説明して進めることが必要になりますが、政治はそれをやりたがらないのが問題です。

いいことをいいながら、実質的には締め付けるというやり方はもうやめるべきではないでしょうか。