2014年

8月

31日

経営戦略とはなにか

2014年8月31日(日曜日)

一週間前までは蒸し暑さが続き、夜はエアコンなしでは眠れない状況でしたが、ここ2~3日は急に涼しくなりすっかり秋の気候になりました。

今年も、あと4か月を残すばかりになりました。

今日は、私が常に重要視し企業名にもしている「経営戦略」についてお話ししたいと思います。

まず、経営とは「継続的・計画的に事業を遂行すること」ということで、誰もが理解できることだと思いますが、戦略については人によって理解が違っていて、必勝法と思っている人もいます。

また、学術的になると、わかるようなわからないような難解な説明がなされていたりします。

しかし、私が提唱する戦略はシンプルに説明できます。

「置かれた環境の中で、最善の結果をもたらすシナリオ」です。

この意味することは、何が何でも常に勝利ばかりを前提に方向性を決めることが戦略ではないということです。

つまり、置かれた環境によっては、引き分けや撤退というストーリーを描くこともあるということです。

どんな犠牲を払っても勝たなければならないという発想ではありません。

また、目的によって戦略は変わります。過去に成功した戦略だからと、バカの一つ覚えのように同じ方法をとってもいい結果が生まれるわけではありません。置かれた環境が違えば戦略を変える必要があります。

置かれた環境とは、まず第一に、政治・経済・社会文化・技術などの最新の環境があります。これを戦略本では英語の頭文字をとってPESTといわれています。何か病気のようですね。私は個人的にこのPESTに自然環境のエコシステムのEを加えています。経済活動が地球のエコシステムに与える影響が、逆に、経済に大きく影響する時代になってきているからです。

これらの環境は、基本的には、一企業では変化させることができないアプリオリな環境ですので、それに合わせることが必要になります。

ただ、この環境はどんどん変化が早くなっていくという傾向にあります。その原因は、PESTの最後にあるテクノロジー(技術)の進展が、加速度的に進展し、5年前の技術がまったく陳腐化してしまうという情況が次々生まれてきており、それが、地球規模で瞬時に影響を与えるということです。そして、日本の一企業であっても、世界の環境にダイレクトに飲みこまれるという状況になってきているということです。

それから、環境の二番目には、競合環境というものがあります。

この環境は、ある程度自らの関与によって変化させることができます。

それは、発明やイノベーションもありますが、現在では、M&Aやデファクトスタンダードの獲得、プラットフォーム構築などです。つまり、昨日までの競合状態の前提条件やルールを変えてしまうということが、現在頻繁に起きています。デジタル化は世界のコダックをあっという間にチャプター11申請に陥れました。

そして、この競合という概念は、今まで業界という狭い環境の中で考えられてきましたが、これからは、その競合の対象も変えていかなければならなくなりました。

マグドナルドが業績を落としているのは、外食産業という業界の中だけで考えるのではなく、コンビニエンスストアという小売業が実は競合であるということを認識しなかったためです。

つまり、競合の概念を提供側の環境ではなく、生活者の環境を基に考える必要があるということです。

それから最後に、自社の環境というものがあります。

経営資源には、ヒト・モノ・カネ・情報というものがあります。

この自社の環境というのが、分かっているようでなかなかわかるようでわからないものです。

私自身も、自分のことになると冷静に客観的に分析することは、至難の業です。

簡単にいえば、ゴルフのスイングに例えれば、人のスイングの良いところ悪いところは明確にわかりますが、自分のスイングについてはよくわからないのと一緒です。私の友人も、この前、練習場のビデオで自分のスイングを客観的に見て愕然としたと言っていました。

自分では、もっと、頭に描いたスイングをしているつもりでも、実際はまったくできていないということがあります。

実は、これはアマチュアだけではなく一線級のプロでも全く同じであり、彼らはそれをアドバイスしてもらうために、専属のコーチを持っています。

そのコーチは、ツアープロに出たら全然勝てるような実力はありませんが、コーチとして、ツアープロに的確に現状を伝え、改善策を提示し、ツアープロと相談しながら最善の結果をもたらすようにコーチします。

名選手=名監督ではないという言葉もありますね。

つまり、自社の環境を分析するには、客観的に分析する能力を持っている人が必要です。

話しが、経営戦略から脱線しかけましたが、孫子の「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という環境分析の重要性は、何千年も昔から変わりません。

ただし、環境の変化のスピードが変わっているので、昨年までの分析が、今年も通用するかは分からないほどになっているということです。

最後に、経営戦略は環境によって変わりますが、それは、明確な企業の目的があるという前提が必要です。目的が明確であればこそ、そこに到達するための環境をみながら方法を見いだすことができるからです。

織田信長は、うつけ物といわれながら、戦国の世の中で強く天下獲りという目的を持って戦略を考えていた人間だと思っています。

その目的を達成するために、10倍以上の軍勢を擁する今川義元を桶狭間において破り、その後は、戦国の群雄割拠の時代から抜け出し天下を獲りました。その天下も短かったとはいえ、あの戦国時代において天下を獲ったことは、強い目的意識がなければできなかったと思います。

戦略は、人生にとってもとても役に立つ概念です。

「置かれた状況の中で、最高の人生をおくる」と少し変えれば、経営も人生も「継続的・計画的に事業(人生)を遂行する」ことは一緒ではないでしょうか。

人生も、目的があった方が戦略的に行動できると思っています。