起業する際のポイント

2014年9月14日(日曜日)

昨日の土曜日に、ある区の創業支援事業の説明会に出席してきました。

私の知り合いが、区の創業支援事業を受注して、約半年にわたり創業の基礎から事業計画作成までのセミナーを開催するということと、その説明会のオープニングにふさわしい、女性の起業家で成功している人に基調講演を行ってもらいたいが、誰かふさわしい人がいないかと頼まれ紹介したことからオブザーバー的に参加してきました。

参加者は20代から50代まで、さまざまな年代・性別が参加しておりました。

私が、基調講演の講師にお願いした五味淵のり子さんは、主婦で小さな子供さんを持ちながら、自分の体験を基にして、育児と家庭だけでは社会とのつながりが薄れることで、視野が狭くなりうつ状態になりそうになった経験から、在宅で社会とつながりながら仕事と家庭を両立させたいという人を中心にネットワークをつくり、企業の間接業務をアウトソーシング型でソリューションするBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業を展開しています。(会社名:有限会社YPP)関東から全国そして今では海外にもパートナーを拡大して事業を拡大している女性です。まさに、起業家から事業家になった経験をリアルで実現したプロセスを実体験し、その生々しい失敗談も含め今に至る経験を中心に講演していただきました。

こう言った基調講演となると、とかく成功事例ということで、耳触りのいい話が中心となってしまうのが常ですが、五味淵社長はこの講演をお願いしたときから、今後の起業家には是非自分の失敗談を伝え、事業を継続することの大変さを理解したうえで、それでもその苦労をはるかに超える価値があるということを伝えたいという意思表示をして頂きました。

彼女が、起業したときの気持ちや、失敗してクライアントにこっぴどく叱られて眠れない夜を何度も経験し、それでもめげずに必死にリカバリーをしながら、クライアントに教えられて、失敗を糧に軌道修正してここまでたどり着いた「苦悩」と「喜び」を語っていただき、参加の創業希望者には、われわれコンサルタントが話すよりも、生々しい現実を理解していただき、それでも起業する価値を見いだいして頂いたのではないと思っています。

現在、五味淵のり子社長が経営する有限会社YPPは、情報のプライバシーを守るために、非常にハードルの高い「プライバシーマーク」も取得し、クライアントの情報の重要性を大切にして、従業員教育に力を注いでいます。

これも、企業当時の失敗を糧にしているということです。

これからの起業を目指す人に、五味淵社長の経験も含めてポイントを申し上げると

・事業を起こす目的をしっかり持つ

これは、経営者というのは、あちらが立てばこちらが立たないというトレードオフの判断を常にしなければならいないという職務です。判断を誤れば、致命的な失敗にもつながりかねませんし、売上が低迷していれば、いろいろな誘惑にも負けてしまいそうになります。そうしたときに、判断の基準となるのは、なぜこの事業を始めたのかという、目的・理念・ビジョンです。このアンカーがしっかりしていないと事業は難破船同様の状態になってしまい、危険な地域にたどりつき、ついには沈没しかねません。

・こだわりと臨機応変の2つのバランス感覚

ここは絶対譲れないという根本的なところを押さえたら、手段については常に状況に応じて朝令暮改していくことも必要です。起業家は荒波の海の手漕ぎボートです。目的地は変えることはなくても、到達するためには、環境に応じて経路やスピードを臨機応変に変えて乗り切ることが必要です。

・周りの人に事実を見せる(共有する力)

事業が進んでいくためには、お客さま・取引先・働く人・金融機関・株主などのいわゆるステークホルダーとの協力関係が絶対に欠かせません。

自分の事業がどこに向かって行こうとしているのか、今どういう状況にあり、どうすべきと考えているのか、その可能性とリスクは、などをステークホルダーにしっかり見せることが大切です。いいところばかり見せようとして、実際を見たら違っていたら人はその人を信用しなくなります。ビジネスは信用が機軸です。事実を常にオープンにに共有していると、人はその人の力になりたいという気持ちになるものです。失敗したり、業績が低迷しているときに、人はどうしてもそれを隠したくなるものですが、それを続けていくと、最後は自分をも騙してしまうという最悪の事態に陥ります。

常に、事実を共有していればそんな事態になることはありません。周りの人が色々なアドバイスを投げかけてくれます。

また、自分が何でも素直に話せて、親身になってくれるメンター(師匠)を一人持っておくことも重要です。

そして、耳の痛い話を積極的に聞いて素直な気持ちで受け止めることが重要だと思います。

まだまだ、創業のポイントはたくさんありますが、この3つが基本ではないかと私は思っています。