8月の食の販売データから景気を見る

2014年9月28日(日曜日)

外食とスーパーマーケットとコンビニエンスストアの8月の売上が出そろいました。

これは、日本の消費の核である食事の、外食・中食・内食の総合的な状況を見る上で参考になるデータです。

外食(がいしょく)は、主にレストラン、専門店、居酒屋、ファーストフードなどです。

中食(なかしょく)は、いわゆる出来合いのおにぎりや弁当やサンドイッチで基本的に持ち帰りのものを言います。

内食(うちしょく)は、調理を自分でして食べるものをいいます。

基本的に、消費にポジティブさがでると、外食が伸びて、ネガティブになれば内食に向かいます。

しかし、ここにきてコンビニエンスストアの売上も厳しい状況に来ているようです。

まず、今年の8月の外的特徴を申し上げると

・日曜日が昨年より一日多い(土曜日は同数)

・平均気温が昨年と比べて低い(東京29.2⇒27.7 大阪30.0⇒27.8)

このデータから見ると、百貨店などの週末来店型の売上はそこそこでしたが、平日中心の業態であるコンビニには逆風であったと言えます。

また、平均気温の低さも、コンビニエンスのアイスや清涼飲料水の売上に大きな影響を与えていると言えます。

このような外部環境にプラスして、昨年と今年の大きな違いは、

・消費税が5%⇒8%に変わって、3%の売上増が期待される

・円安による原材料費の上昇による コスト上昇分の単価上昇

などがあります。

こういった背景を基に外食とスーパーとコンビニの売上を見ていきたいと思います。

まず、外食の状況を見てみます。

データは、一般社団法人日本フードサービス協会の数字を引用させていただきました。

前年対比

          客数     客単価     売上

全体       95.6%    102.4%    97.9%

ファーストフード 93.7%    100.1%    93.8%

ファミレス    99.3%    103.6%    102.9%

居酒屋・パブ   95.2%    99.6%     94.8%

まず、外食は日曜日が増えたことから通常は売り上げが上昇すべき分野ですが客数が大幅に減っています。また、客単価については、消費税が上昇していることから3%は最低確保したいことろですが、2.4%しか上昇できていません。

特に、居酒屋・パブは消費税増税と原材料が上昇したにもかかわらず逆に下がってきていて厳しい状況が見て取れます。客数もかなり減っていて、ファミレス飲みや吉飲みといわれるように、他業態に客を侵食されていることも大きいと思われます。

次に、コンビニエンスストアのデータを見てみたいと思います。

データは、一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会の数字を引用させていただきました。

            既存店ベース    全店ベース

店舗売上高        97.6%       102.0%

店舗数                     105.3%

客数           96.4%       100.9%

客単価           101.2%        101.1%

まず、客数がかなり落ち込んでいます。

これは、日曜日が1日多かったということと、気温の低さが大きく影響していると推測されます。平日の利便性を売りにしているコンビニにとっては、日曜日は一部を除いては売り上げが落ちます。また低い気温の影響は、清涼飲料とアイスなどの加工食品の落ち込みがマイナス4.8%と大きく落ち込んでいることからもそれがみてとれます。

おにぎりや弁当・サンドイッチ・惣菜などの日配食品と言われるものは、マイナス0.5%となっています。夏場に売れるはずの冷やした麺類などの売上が厳しかったことが推測されます。

最後ににスーパーマーケットの8月の前年比較をしたいと思います。

データは、日本スーパーマーケット協会から引用させていただきました。

         食品合計 非食品合計 その他合計  総合計

売上高前年比   104.3%  98.5%   96.5%   103.6%

となっております。この業態は、日曜日が多いと売り上げが伸びる業態でもあります。

今日のテーマである食品を見ますと104.3%となっており、消費税分以上の売上を確保していますので、一見いいように見えます。

ただし、原材料の値上がりがどの程度あるのかが不明なのでよくわかりませんが、畜産の売上前年対比113.6%、水産の売上前年対比107.5%を見ると、そんなにこの分野の量的な増加があったとは思えないので、かなりのコストプッシュインフレがこの分野に起きているものと推測されます。

つまり、売上は外食やコンビニに比較していいが、利益ベースが不透明であるといえます。


以上のデータを見て私なりに8月の食の消費全体をサマリーすると以下のことが言えるのではないかと思います。

◆給与所得の増加はあるが、原材料の物価上昇の方が大きいために食に関す

 る個人消費はポジティブからネガティブに移行している可能性が高い

◆その結果、外食から内食に食事がシフトせざるを得ない状況になっている

◆消費税とコストの上昇を価格に転嫁できずに食に関する産業は利益を確保

 しにくくなっている

◆利益を確保できない状況は、給与を上げることができない状況をもたらす

◆気温がかなり低かったことで、冷やした消費がさえなかったことも要因と

 してある

このような状況を見ると、企業にとって必要なことは、生産性のさらなる向上と付加価値の増加を進めていく必要が見えてきます。