2014年

10月

05日

相乗効果が不透明なローソンの成城石井買収

2014年10月5日(日曜日)

10月に入り、三越伊勢丹HD、イオン、そしてローソンの三つ巴による成城石井(高級スーパー)の買収合戦に終止符が打たれ、ローソンの高額買収という決着となりました。

成城石井はその名の通り、小田急線「成城学園前」の駅前に店舗を構える高級スーパーマーケットで、成城学園の高級住宅街の生活レベルにあった食の提供者として、輸入品を中心に「目利き力」で独自の品揃えと細やかな接客対応で、鮮度や品質や安全性など高いレベルを要求する顧客に指示を得ることで売上を伸ばして、世田谷地区を中心にブランド力を広げたスーパーマーケットです。

一時、飲食店のチェーン店に買収されましたが、相乗効果を発揮できずに三菱商事が筆頭株主である丸の内キャピタルに売り渡されました。

その間、成城石井は、拡大政策として「プチ贅沢」を志向するニーズに応えるべくJR東日本の主要駅にプチ成城石井を出店していき、現在は120店舗ほどの規模に拡大しています。

本店の、成城駅前店とは品揃えの点においては、まったく及びませんが、成城石井独自の商品などを中心に品揃えされ差別化ができているようで、かなり集客があるようです。

このように見てみると、成城石井というブランドは、独自の商品調達力で品質・安全・品揃えなどの価値を提供している店であり、価格を重視する一般的なスーパーマーケットとは一線を画したものです。

これを、ローソンが買収して何をしようとしているのかが問題です。

そして、どこに相乗効果を出そうとしているのかが見えてきません。

また、ローソンは新浪社長がサントリーHDに移り、玉塚社長に変わったばかりですが、その本業であるローソンというコンビニエンストアの業態の業績が揺らいでいます。

いま、コンビニエンス業態は、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートの3社で覇権を競い合っているところですが、セブンイレブンとファミリーマートが2014年度1500店の出店を計画していますが、ローソンはその半分強の出店しか計画できていません。

この理由を、ローソン側は既存店の強化のためとしています。

つまり、セブンイレブン、ファミリーマートよりも既存店の売上が思わしくないという判断ということです。

ローソンは、コンビニエンスストアで、ローソンだけではなく、ナチュラルローソンとローソンストア100という違うフォーマットのコンビニエンスを展開していますが、ローソン以外のフォーマットは、店舗数が減っている状況です。つまり、女性を中心としたコンビニエンスストアと価格訴求のコンビニエンスストアというフォーマットを展開してきましたが、市場にその価値を認められているという状況にない状況です。

コンビニエンスという業態においても多フォーマット化のコントロールがうまくいっていないのです。

こんな中で、玉塚新社長が、セブンイレブンとファミリーマートとの熾烈なコンビニエンス業態の競争を打ち勝ち、更に、成城石井というまったくコンセプトも客層も異なる企業を成長させるというオペレーションを担うことができるかがとても不安です。

ちなみに、ローソンの株価を見ると、1年前と変わらない株価となっており、買収発表後もネガティブな株価となっており、市場もこの買収に対して懐疑的な見方をしているのではないかと思われます。

玉塚社長には、まず、ローソンのコンビニエンスストアとしてのセブンイレブンとファミリーマートとの重要な局面を打破することにまず専念する必要性があることを認識し、解決に向けて全力を尽くすべきだと思います。