医療費の増大と日本経済

2014年10月13日(月曜日)

今日の日本経済新聞の中で、日本の概算の医療費が40兆円に迫り、前年度比2.2%の増加となったという厚生労働省発表の内容がありました。

この内容は、高齢化社会において、高齢者が体のいろいろな箇所に不具合が発生しメンテナンスが必要になることから以前から予想されていましたが、その金額をみるとあらためてすごい金額であることに驚かされます。

しかし、この金額がこれからますます高齢化していく日本では、あと10年後ぐらいに60兆円を越し、厚生労働省の試算では2025年に62兆円となると予想されています。

この金額がどれほどのインパクトを持つかということと、日本の経済と財政について今日はお話ししたいと思います。

まず、国には税金という収入があります。

これは、一般会計税収というのを見ますと約50兆円です。

それから、社会保険料の収入というのがあります。これは、年金、医療、介護の3つで毎月所得から控除されていますので税金と同じ性格を持ちます。

この金額が約50兆円でここ数年間は横ばいの状況で増えていません。

しかし社会保険給付費はどんどん増大しており23年度で110兆円近くになっています。そして、この上昇は今後まちがいなく加速していきます。

そして、不足分は税金と借金で補てんされています。

ここで、日本の歳出の状況を見てみましょう。

日本が年間に歳出しているお金は、

借金の返済と利子    約23兆円(歳出の1/4が借金と利子の返済)

社会保障経費      約30.5兆円(医療、介護、年金、生活保護など)

地方交付税交付金等   約16兆円

公共事業関係費     約  6兆円

文教・科学振興費    約  5.5兆円

防衛関係費       約  5兆円

経済協力費       約 0.5兆円

その他         約  9兆円

合計          約96兆円

となっています。

そして、日本の借金ですが、返済はしていますが毎年約30兆円以上増加し続けています。

日本の借入残高は、GDP比で200%を楽々オーバーしてしまい、更に悪化の一途をたどっています。

こうして見てみると、医療費の増大は今後介護費の増大へとつながり、ますますこの2つの経費が増大してくことが予想されます。

今は、社会保険料と税金の補てんと借金で賄っていますが、早晩、それも焼け石に水のような状態になります。

政府は、民主党政権時に合意された消費税と社会保障費の一体改革の決定により、消費税増税を来年10月に10%にすることを決めています。

しかし、今度は、消費税増税により経済がシュリンクしその分の税収の落ち込みが懸念されています。8%でこの状況ですから10%になったらどうなるかは容易に予想されます。

しかし、ここで消費税増税をしないと、GDP比で200%以上という世界最悪の状況で、日本国債の信用が低下していきます。そうなると、日本国債デフォルトというリスクが頭をもたげてきます。日本の国債は、90%が国内消費でありギリシャなどの国債に比べて、外国の機関投資家の比率は少ないのですが、先物市場で取引されている限り、リバレッジをかけて売り浴びせられれば危険な状態になりうるというリスクがあります。

従って、消費税増税は財政健全化において絶対に必要であるが、増税をするとGDPがシュリンクして税収がへるというジレンマの状態にあります。

そして、アベノミクスということになりますが、金融政策と財政政策の2本の矢までは、勢いよく放たれましたが、肝心の成長戦略の3本目の矢がパッとしないために、消費税が3%上がったとたん失速してしまっています。

日本政府と日銀は、想定内という強気の姿勢を続けていますが、民間エコノミストとマスコミも最初は、政府と一緒になって、2014年下半期はV字回復すると騒ぎ立てていましたが、最近は、ネガティブな記事に変わってきてしまっています。

なんか、これをみていると、戦争時代の大本営発表とマスコミの関係を見ているような印象を持つのは私だけでしょうか。

もう、国民に実態を知らせ協力を仰ぐ時期に来ていると思います。