2014年

10月

26日

地方創生議論

2014年10月26日(日曜日)

10月17日の新聞の報道で、総務省が地方創生を目的に、企業が地方に移転することに対して、法人事業税や固定資産税を非課税にするなどの優遇処置を来年度にも導入することを検討するという報道がありました。

その中に「16日の参院総務委員会で平嶋彰英自治税務局長が移転を促す税制について『検討していく』と表明した。総務省は全国知事会が7日に要望した試案をたたき台として税制を設計する見通しだ。」とあります。

実は、この「地方創生」という言葉は、自民党のお得意のことばで、過去にも何回も出ては消えてを繰り返してきました。

以前は、バラマキ的補助金が各県に支給され、使い道に困った県は、純金で出来たお魚なんかをつくったりして、観光客を集めようなどという、地方創生とは程遠い、付け焼刃的なイベントを行っては無駄なお金を使ってきた苦い過去があります。

そして、この「地方再生」というのは、国政選挙が近づいてくると必ず政府側から出てくる議論です。

なにせ、日本の選挙制度は一票の格差が2倍以上でも違憲ではないという特殊な国ですから、選挙については地方を意識したものになるというのが、「地方創生」議論が出てくる背景となっています。

行政側も政府の意向を受けて予算を配分したりしていますが、今まで「地方創生」の政策が地方を創生させて活性化した事例はまったくないと言っていいくらい失敗し続けてきています。

今回の総務省の「検討していく」というあまり積極的ではない言葉から、どのような方法で企業移転を促し、非課税の条件をどうするかは分かりませんが、効果が出るかはかなり疑問です。

非課税となれば、企業は本社の登記を移すでしょうが、形は移転しても中身は今のまま、ということになるのがケイマンなどのタックスヘブンの実態です。総務省はそのへんの難しさを理解しているから、「検討していく」という表現になったのかもしれません。

そもそも、日本は「中央集権的統治機構」で、政治も行政も国が細かなことも決めていくというシステムの中で、地方創生などという地域性が問われる施策をやることがおかしいという発想を持たなくてはなりません。

地方を本気で創生させるならば、地方が自ら決定し実行し創生するように統治機構を改めるという根本問題に行き着くはずです。

しかし、政治も行政も国の権限はそのままに、地方創生をすべて同じパターンでやろうとしています。

戦後の成功体験をそのままに、グローバルで多様化したニーズに一極集中の発想で対応することが無理であることは、グローバル企業を見れば一目瞭然です。

アメリカなど、それぞれの地方が発展している国をみれば、連邦制による地方の自治権こそ地方創生の基本であることが理解できると思います。

これは、会社も国も軍でも一緒です。

各部門を活性化させたいなら、組織をなるべくフラットにして、ビジョンと戦略を浸透させ、権限を実行部隊に与えて、それぞれがビジョンと戦略を基に、置かれた環境の中で、自ら判断し、実行して、学習する、こと以外に方法はないと思います。