2014年

11月

02日

米国の量的緩和終息と日本の追加緩和

2014年11月2日(日曜日)

10月末の金曜日に、為替と株価が一気に変動する事態が発生しました。

結果として、日本並びにアメリカの株価の高騰と、ドル円の為替が、1ドル112円台に一気にドル高円安になっています。

その原因は、米国の景気回復傾向に伴う量的緩和の終結宣言と、日銀のサプライズ的な量的緩和の発動という対照的な政策の同時実施によるものです。

これにより日米の経済がどうなるのか非常に気になるところです。

私としては、米国はますます景気の拡大が加速し、日本の経済はジレンマの中で出口を模索していくことになると思います。

一見、ドル高になれば、アメリカの輸出企業が痛手を被り経済が減速するというようなイメージを受けますが、米国の主要企業はすでにグローバルに生産し、最も売れるところに販売するという仕組みを作っていますので、為替フリーの状態にあります。

そして、強いドルは、米国政府が量的緩和を終結しても、世界中からお金が集まるという構造を持っており、特に米国のダウ並びに新興市場にお金がどんどん注ぎ込まれるために、企業は借金をしなくても投資家からお金が入ってきて、どんどん投資やM&Aを加速させることが可能になります。

つまり、量的緩和という閉鎖経済の経済政策をしても、グローバル経済では、答えが真逆になるということが出てきます。

そして、強いドルは、世界の基軸通貨であり世界最大級輸入国である米国にとって、物価の安定を意味します。

そして、ここで失業率と企業業績が改善し個人所得が増加すれば、物価の安定と相まって個人消費は拡大し、更に企業の業績を上げていくという好循環になっていくと思われます。

一方、日本ですが、追加的な量的緩和により市中にお金が投入され株価も一日で700円以上上昇しました。

通常、金利がゼロでお金が潤沢になり株価も上昇すれば、企業は、国内で設備投資をして生産を増加させ、従業員を雇用しというシナリオになるはずですが、現在の日本企業は日本での設備投資についてネガティブな状況がずっと続いています。この状況が、今回の追加的な量的緩和で改善するかは難しい状況ではないかと思います。

そして、日本の追加の量的緩和で出回ったお金は、国内の設備投資に回らず、海外に、株に、不動産に流れその部分のミニバブルを形成するのではないかと予想します。

また、急激な円安により燃料や小麦・大豆といった基本的な消費財の価格が上昇することが予想され、増税で痛手を被っている家計にとっては更に厳しい状況が来ることが予想されます。株や不動産などと縁がなく、増税の影響受けている年金生活者や給与が上がらない家計は更に厳しい状況となるでしょう。そうなると、GDPの60%を占める個人消費が減退することになります。

米国への輸出は伸びるでしょうが、デメリットと相殺できるほどになるかは疑問です。

ここ2~3年円安で貿易収支が改善するどころか、悪化の一途を辿っている日本の状況はジレンマの中にあります。

根本的問題である、人口問題(量の減少と高齢化という質的問題)と社会保障に抜本的に取り組んでこそ、この量的緩和は生きてくるのではないかと思っています。