2014年

11月

24日

人口減少問題と地方創生

2014年11月24日(月曜日)

先週のブログで、日本経済を長期的に且つ抜本的に改善していくためには、人口問題に真剣に取り組まなくてはならないという話をしました。

今週は、その人口問題と、それに密接に結びついている地方創生についてお話ししたいと思います。

言うまでもなく、GDPというのは生産年齢人口と強い相関関係を持っています。

そして、生産年齢人口の減少は、地方に行けば行くほど顕著になっています。

それは、若者を中心に大都市圏内への人口移動が発生しているためです。

さらに、大都市圏での合計特殊出生率(2014)を見ますと、東京圏(埼玉・千葉・神奈川含む)大阪圏(京都・兵庫・奈良含む)では、全国平均の1.41をだいぶ下回る数字となっています。つまり、地方から若者が大都市圏に流出して、さらに、子供をあまり生まないという構図になっています。

地方では、子供を作る年齢層が大都市に流出し人口が減り、大都市での合計特殊出生率は低調という2重の人口減要因を日本は抱えているということになります。

これに関連する重要な発表では、今年5月8日づけで日本創生会議・人口減少問題分科会より出された「ストップ少子化・地方元気戦略」というレポートがあります。

このままでは、多くの地域が将来消滅するおそれがある。という部分がありかなりニュースでも取り上げられたので覚えている方も多いと思います。

その内容は、2010年から2040年にかけて20~39歳女性が50%以上減少する市町村が896(全体の49.8%)に達し、そのうち人口1万人未満は523(全体の29.1%)のぼる結果となる。と記載されています。

そうなっていくと、当然、医療・介護・消防・警察などを担う人材が不足し、税収もままならなくなるため自治体として機能できなくなる可能性が高くなり、ますます人口流出に拍車がかかるという悪循環に陥ることになります。

このレポートでは、問題の解決策として次のような内容を提言しています。

大きくは目標として、「希望出生率の実現(2012年1.41から2025年1.8)」と「地方から大都市への若者の流出を変える」となっています。

戦略としては

1.ストップ少子化戦略

  若者が結婚し、子供を産み・育てやすい環境づくり

2.地方元気戦略

  地方を立て直し、再興を図る

3.女性・人材活躍戦略

  女性や高齢者など人材の活躍を推進する

具体的な戦術も記載されていますので興味のある方は、ネットで検索してください。「ストップ少子化・地方元気戦略」で検索すればOKです。

私としては、基本的にはこの内容はかなり重要な提言として理解していますが、私なりに追加として揚げたいことが2点あります。

それは、1.の「若者が結婚し」というところですが、合計特殊出生率が2まで改善した国(フランス・スウェーデン)をみますと、婚外子の割合が50%を超えています。(BBT総合研究所)つまり、2人に1人は婚外子となっています。日本では、2.2%しかありません。これは、宗教上の差もあります。キリスト教では堕胎は禁じられています。

しかし、それよりももっと大きな違いは、結婚や戸籍制度などの形式にこだわる日本と、事実上の夫婦やシングルマザーに対する権利を認めている欧米の認識の違いが大きいと思います。(欧米先進国は戸籍制度を撤廃)

この形式主義をやめることも重要だと考えています。

そして、第2点として地方元気戦略ですが、今、自民党がやろうとしている国の主導による地方創生はあまり機能しないと思います。

これは、会社でもなんでも組織というものは同じですが、組織のそれぞれの部署を活性化させるためには、戦略的なユニット(地域)ごとに責任をもたせ、そこで経営(自治)をさせ、その部署(地域)で最適と思われる戦略を立て、それをスピード感を持って実行する権限を委譲するというのが基本です。本社(国)はそれをサポートするために、人材やノウハウや集約できるものを集約するサービスを提供するという形にすべきです。

国が、面倒を見ようとすればするほど衰退してきた地方、それを活性化できるのは地方自身であるということを再認識するときだと思います。