人口知能(AI)の進化の行く末

2014年12月6日(土曜日)

12月3日のAPFの記事で気になる内容があったので、今日はそれについて触れたいと思います。

記事によれば、イギリス理論物理学者のスティーブン・ホーキング博士は、「人工知能(AI)の開発は人類の終わりを意味するかもしれない」と、警告しているというものです。

続けて「我々がすでに手にしている原始的な人工知能(AI)は、極めて有用であることが明らかになっている。だが、完全な人工知能(AI)の開発は人類の終わりをもたらす可能性がある。ひとたび人類が人工知能(AI)を開発してしまえば、それは自ら発展し、加速度的に自らを再設計していくだろう。ゆっくりとした生物的進化により制限されている人類は、人工知能(AI)と競争することはできず、人工知能(AI)にとってかわられるだろう」と語っています。

また、最近オックスフォード大学の「The Future of Employment」が発表した「コンピュータ化で奪われる職種」では、技術が与える将来的インパクト研究プログラムで、700種以上の米国の職業を詳細にわたって分析したところ、今後10~20年の間に、米国内の職業のおよそ半分は自動化されてしまうという内容になっています。工場などの作業はもちろんのこと、過去の統計的なデータを照合して結論に至るようなホワイトカラーの仕事や、機械を人間がオペレートする運転手などの職業も人工知能に取って代わられる可能性が高いという報告です

また、チェスや将棋やクイズなどの競技でも人工知能(AI)がプロを破るということが頻繁に起きるようになっています。さらに、作曲や美術などのクリエイティブな分野でも非常に高いレベルの作品がどんどん登場しています。ボーカロイドが生身の人間を上回るような人気になっているのは周知のとおりです。

このようなニュースを多く耳にしたとき、私は、30年ほど前に読んだ1冊の本を思い出します。

それは、立花隆氏の「文明の逆説」という題名の本です。

その中で立花氏は、「成長の成功要因が滅亡要因になる」ということを書いています。例として、ローマ帝国の崩壊は、その成長要因つまり「権力」「富」「快楽」を求める活力というものが、ローマ帝国の成功の原動力であったが、成熟しきったあたりからそれが「罪と悪徳」となり、ローマ帝国を内的崩壊過程に導いた原因ともなっているという内容です。「ローマ帝国は、ゲルマン民族の侵入によって滅亡したかに見えるが、組織のインテグレーション解体、あるいはシステム不全によって内部から崩れ去った。外部の攻撃は、死にかけた老人に最後の一突きをあたえたに過ぎない。トインビーによれば、外からの攻撃は内的崩壊過程にある文明に対してのみ破壊作用を持ち、内的成長過程にある文明に対しては、外からの攻撃はむしろ成長を刺激するものとして役立つものだという。

一つの文明が成立するときにもった初期条件の中に、その成功から失敗にいたる未来プログラムがすでにビルトインされているのだ。

また、危機的状況下では人間は最良の選択どころか、しばしば最悪の選択をする」とも書かれていました。

大昔、地球上に君臨していた恐竜という生物は、その大きさゆえに地球上の支配者となったが、その大きさゆえに環境に対応できずに絶滅したと言われています。

それを人間に当てはめると、人間は、他の動物に比べて圧倒的な頭脳の発達によりこの地球上に君臨していますが、その頭脳の発達により作られたものに滅ぼされる危険性があるということを自覚する必要があると思います。

人口知能(AI)とロボット技術は、米国と日本がこれからの成長の柱になる産業として推し進めている重要なものです。介護ロボットなどこれからの日本になくてはならないものだと私も思っています。

ただ、その知能が自ら暴走してしまうようなものには絶対してはいけないと思います。

こういった議論の中で注目されているのが、人工知能(AI)の「シンギュラリティ(特異点)」という説です。

これは、発明家・未来学者であるレイ・カーツワイル氏が唱えているもので

「2029年には世界は脳のリバース・エンジニアリングを終え、人工知能(AI)は人間と同等の能力を持つようになり、2045年には人間の従来の理解力を超えた超人工知能が生まれる」「特異点(2045年)がやってきたとき、人間も社会も大きな変化を迎えるが、それは従来の線上の進歩の先にあるようなものではない。もはや人間が持つ想像力ではとらえられない時代が到来するという。現在の何十億倍にもパワフルになった機械が、人間の能力を拡張するように用いられるからだ。機械は感情も理解する。」(週刊ダイアモンドの記事より)

人間の体と機械が一体となり人間の生命を維持し、また、筋肉や骨をそして内臓さらには脳まで代替物で補うようなことができる可能性があるということを予測しているようです。

そのような、人間の社会が訪れる可能性は無いとは言えず、非常に複雑な気持ちになりますが、あらゆる可能性を求めて米国・日本をはじめ世界中の先端企業が国を挙げてまい進していくことから、かなり実現性が高いように思えます。

この、人工知能(AI)の状況は、もっともっと議論を重ねていく必要があり、冒頭で紹介したホーキング博士の警告を受け止め、正しい知識と情報をたくさんの人に知ってもらう必要があると思っています。