エンゲル係数上昇に見る日本の高齢化

2015年5月17日(日曜日)

今月の連休明けに、日経新聞で「エンゲル係数」が2014年総務省の家計調査で21年ぶりに高い水準になったとの記事がありました。

エンゲル係数という言葉は、我々世代にとっては懐かしい言葉で、小学校か中学校かで習った記憶がある限りで、ここしばらくはまったく聞かなかった言葉です。

中学校の頃は、エンゲル係数が高いイコール貧乏などという冗談まじりの表現をしていました。

つまり、エンゲル係数が高いということは、食べていくのがやっと、という文脈で語られていました。

そこで、エンゲル係数の算出に使われる要素をおさらいしてみます。

エンゲル係数=食料費÷家計の消費支出

という式になります。

簡単に書けばこの式ですが、分母となる家計の消費支出をもう少し分解しないと分析ができません。

エンゲル係数=食料費÷(「総収入」ー「税金・社会保障費」ー「ローンなどの返済」ー「保険料」ー「貯蓄」)となります。

つまり、エンゲル係数は上記のファクターが絡み合って算出されるということです。

エンゲル係数を上げる要因

1.食料費が上がる

2.総収入が減る

3.税金・社会保障費が増える

4.ローンなどの返済が増える

5.保険料が増える

6.貯蓄が増える

この6つのことが原因と考えられます。

ただし、6番目の「貯蓄が増える」では、日本の全体の貯蓄率を見る限り増えてはいません。

次にエンゲル係数の推移を見てみます。(二人以上の世帯)

2001年 23.2%

2002年 23.3%

2003年 23.2%

2004年 23.0%

2005年 22.9%

2006年 23.1%

2007年 23.0%

2008年 23.2%

2009年 23.4%

2010年 23.3%

2011年 23.6%

2012年 23.5%

2013年 23.6%

2014年 24.3%

となっており、2005年の22.9%を境に上昇に転じているのが分かります。

この年から日本は人口減少と少子高齢化が加速した年代と符合します。

従って、この要因は明らかです。

1.60歳以上の世帯のエンゲル係数が上昇している

2.60歳以上の世帯数の全体比率が急増している

つまり、日本の高齢化が全体のエンゲル係を押しあげているということです。

60歳以上になれば、収入が大きく減少しますし、税金と医療などの社会保障費が上昇している点が大きいと言えます。

高齢化が進めば、エンゲル係数が自動的に上昇に転じるという宿命を背負っています。

でも、最近の円安による食料品の値上げもエンゲル係数を押しあげる一因となっていることは間違いありません。

高齢者にとって、食料品は上がる、税金は上がる、医療費なども上がるけど、年金(収入)は上がらないどころか減っていくということで、厳しい状況になっているということをエンゲル係数上昇が物語っているようです。