2015年

6月

07日

セブンイレブンの強さの本質

2015年6月7日(日曜日)

今週発売された週刊ダイアモンドで、「流通最後のカリスマ、鈴木敏文の破壊と創造」という特集が組まれていました。

鈴木敏文氏は、いわずと知れた7&Iグループの会長でありますが、イトーヨーカ堂社員から1974年にセブンイレブンを立ち上げた方です。

立上げから40年が経ち、コンビニエンスという業態を社会インフラとして確立させた功労者とも言えます。

そして、3大チェーンの他の2チェーンとの日販は、店舗当たり15万円の差をつけて、全店売上の差は開く一方という状況です。

なぜ、コンビニエンスという業態でありながらこれほどの差がついてしまうのかということですが、結論から言ってしまえば「不動」と「変化」という両極にありそうな概念を「お客さま」という軸により矛盾することなく双方を徹底してきたからだと私は思います。

「不動」については、「お客さまの立場で」というキーワードというか信念に近い形で徹底しているということです。

これは、どの流通業でも安易に使われる言葉ですが、実は、その状況によって供給者の理論で妥協しているのが現状です。

例えば、季節商品があり、その時期にその商品を出さなければならない(夏でいえば冷やし中華など)場合、お客さまが満足できるような水準まで商品が完成していない場合、通常の流通業者であればお店に並べることを優先してある程度のレベルで販売してしまうという結論に達してしまいますが、鈴木会長は一切それを許しません。「試食してまずと思うものは売場から下げなさい。売れば売るほどお客さまの信用を失うことになる」というお客さまの軸を信念として不動のものとしています。たとえ販売が好調な商品でも彼が試食してまずいと思ったものは、即刻全店から撤去されてしまいます。

そして、この考え方をOFC会議で隔週2500人の店舗担当者に徹底的に刷り込みます。40年間組織の末端神経まで延々と鈴木イズムを送り込み、今やセブンイレブンのDNAになろうとしています。

組織図も昔からお客さまから近い方が上で取締役会など一番下に位置しています。

この妥協のない不動のお客さまに対する姿勢が日販の差に出ているということです。

私が、鈴木会長から学んだことは、「あたりまえのことを、あたりまえにやるには、あたりまえの努力ではできない。絶対妥協できない本質的な軸は、組織全体に徹底しなければすぐにぶれてしまう。」ということでした。

それから、二つ目の「変化」ですが、これまた徹底して変化しています。

時代の変化に迅速に対応していくこと、お客さまのニーズの変化に対応していくことが常に問われます。

従って、時代の変化への対応が早いことから自然と日本初とか業界初とか世界初というものが生まれてきます。

商品では、「缶切り不要の缶詰」「おにぎり」「おでん」「公共料金収納代行」「宅急便取次ぎ」「印鑑証明や住民票のコピー機での発行「セブン銀行」などがあります。また、共同配送、デジタルピッキング、単品管理、気象情報システム、POSシステム、ハンディーターミナル等、店舗の発注を支援する情報とロジスティクスなど常に、変化に対応できるオペレーションを取り入れています。

そして、鈴木会長がこの変化への対応を徹底するために常に言っていることは、「成功体験を捨てろ、過去の成功体験のやり方でやるから間違う。新しいことをやるのだから過去の手法を使ってはできない。」というものです。

会議で、過去の成功事例などを基に新しい提案をしようものなら即刻退場となります。

徹底したブレークスルーが求められます。

その結果、金の食パンのような商品が生まれ、また、保存料・合成着色料なしのファーストフード販売へとつながるわけです。

セブンカフェも好調に売上を上げていましたが、1年半でリニューアルという変化の速さです。

この変化への対応も、平均日販の差になっています。

つまり、「不動」と「変化」の両方を合わせると、「お客様の立場で常に変化を続けるセブンイレブン」というコンセプトが見えてきます。

そして、その集大成が、今、7&Iグループで進めている「オムニチャネル化」です。傘下の百貨店、GMS,スーパーマーケット、専門店、コンビニエンスストアとインターネットショッピングがICTを使い、消費者にシームレスに活用してもらえるような全包囲網的な商品提供・物流・決済システムを作り上げようとしています。

池袋西武デパートの商品が、地方のセブンイレブンのセブンミールの配達のついでに運んでもらえるというようなことも可能になってくるわけです。

これからどんな新しいことを我々に提案してくれるのか目が離せません。


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コメント: 1
  • #1

    坂元和明 (日曜日, 28 8月 2016 20:24)

    いつも牛久栄店、上柏田店利用している者ですが、
    セブンイレブンン様の駐車場の件ですが
    車止めの低い縁石だけで、高齢者だけでなく誤って、ブレイキとアクセルを間違って低い縁石を乗り越えて店内に突っ込む危険がありますので、店内に突っ込まない防護壁を望みます。