2015年

7月

19日

フリーミアムと定額制の時代

2015年7月19日(日曜日)

ここのところ台風が次々とやってきており、今回の台風11号では四国、関西中国地方では記録的な雨量となり深刻な被害も出ており、被害に遭われた方々に対して心よりお見舞い申し上げます。

最近の台風は、たくさんの雨を降らせるという印象が強く、海水温の上昇によるものではないかとも言われています。また、記録的な雨量を蓄える山もスギなどの保水力のない人工林により土石流の発生なども危惧されるところです。

さて、話は変わりますが、中小企業を取り巻く環境も急速に変わりつつあります。

IT社会に突入してから、約30年以上が過ぎようとしていますが、初期のコンピューティングシステムは、メインフレームで巨大なコンピュータを自前で持ち、ホストコンピューターによる中央集中システムを設計開発するというものでした。それがIBM,マイクロソフト、アップル、インテルなどが中心となり、ハードはパーソナルコンピュータに置き換えられ、システムはクライアント・サーバシステムをパッケージ型で購入するようになりました。

そこに、Webとネットワークインフラが整ってきて、クラウドコンピューティングの時代に突入して、パッケージ購入から従量制のサービス利用となってきています。

これが、ITの基本を成すインフラ部分の変化です。

つまり、自家発電で電気を賄っていた時代から、大きな発電所というインフラができて、使用した電気代を電力会社に支払うような形が、ITの中でできあがってきたと言えます。

この、クラウドコンピューティングによって大きな変化がいろいろと起きていますが、その中で、今日は「フリーミアム」と「定額配信制」というビジネスモデルのお話をしたいと思います。

まず、「フリーミアム」というビジネスモデルです。

「フリーミアム」というのは、英語の造語で「フリー」と「プレミアム」を合体させたものです。

これは、無料でコンテンツを利用したりサービスを利用したりできるプラットフォーム(場)を提供して、多くの人をいち早くプラットフォームに会員登録してもらいます。これは、クラウドの中にそのような場を設けることで莫大なインフラ投資が必要がないというところでできるものです。最初は、利益が出ませんが、世界中からそのコンテンツやサービスを利用する人が集まったところで、今度は、「プレミアム」なコンテンツやサービスをその集まった人たちに有料で提供していくというビジネスモデルです。

ドロップボックスやLINEなどがそれに当たります。LINEはフリーの通話・メール配信サービスで短期間に何億人もの利用者を集めました。そして、多くの人達がLINEという場に集まったところで、その人達に「スタンプ」といわれるものを販売するというモデルになっています。このようなフリームアムモデルは、次々と出てきており最近では、全自動のクラウド型会計ソフトまで登場しています。例えば、日本では、「freee」というクラウド上で提供している会計ソフトがあります。

それは、無料プランと個人事業主プランと法人プランとに大まかに分かれており、2013年からサービスを開始して2年間で30万事業の利用まで拡大してその数は更に急速に拡大しています。

つまり、フリーで集める、プレミアムで利益を出すというビジネスモデルが、クラウドコンピューティングという土台に載りどんどん新しいサービスが生まれているわけです。このようなフリーミアムモデルは、いかに素早く場に多くの人を集めてしまうかということと、その集まった人たちの情報を活用し更なる集客とプレミアム部分の構築ができるかという点に懸かっていると思います。

次に「定額配信サービスモデル」です。

これは、コンテンツ(音楽・動画・電子書籍)などで今拡大している分野です。

以前は、音楽といえば、レコードやCDを購入したり、テレビやラジオで聞いたりしていましたが、アップルのスティーブジョブスが、著作権の問題を乗り越えて、IPodという極小のプレーヤーに1曲1ドルでダウンロードすることで、好きな曲だけ、好きなときに、どんな場所でも聞けるという画期的な革命を起こしました。これでソニーのウォークマンはもちろん、CDプレーヤーも即死してお払い箱になってしまいました。

しかし、そのダウンロードや1曲1ドルというモデルも、クラウドコンピューティングのなかでは、あっという間に陳腐化してしまいました。

現在、主流となっているコンテンツの配信サービスの特徴は、3つです。

1.月額定額制

2.聴き放題、見放題、読み放題

3.ダウンロードではなくストローミング

つまり、いちいち手持ちのデバイス(パソコンやパッドやスマホ)にダウンロードせずに、クラウド上にコンテンツを置いておき、手持ちのデバイスでそれを聴いたり、見たり、読んだりでき、いちいち金額を気にすることはなく、いくら聴いても、見ても、読んでも月額定額で楽しめるというモデルです。アメリカでは、「Spotify」「Amazon」「Hilu」などが有名ですが、日本でもドコモ等が参入して、会員数を伸ばいしています。

そのドコモの雑誌配信サービスの「dマガジン」を例にとると

月額料金 :400円(定額)

雑誌数  :130誌(人気の雑誌はほとんど読める)

読み放題 :パソコン・パッド・スマホなどどれからでもアクセス可能

会員数  :約200万件

年間売上 :約100億円(上記のデータから計算)

このようなビジネスモデルは、この後会員数が増えて売り上げが増加しても、変動費がそこまで増えないことから会員が増えれば増えるほど利益率は上昇していくというモデルです。なぜなら、クラウド上に保存している雑誌は誰の手にも渡らず、そのデータだけをユーザーが聴いたり、見たり、読んだりしているだけで、1つのものを大勢で共有しているだけですから配信側の負担はほとんどありません。著作権のやり取りについては詳しく知りませんが、こちらも定額制であれば、会員が増えれば増えるほど利益率が上がります。従って、このような定額配信モデルとフリーミアムモデルを組み合わせて会員を増やしていくことが、現在、重要になります。

また、その際にTポイント、ポンタなどにポイントが貯まることもユーザーの選択肢の中に入ってくると思われます。