セブン&アイ+ユニクロ業務提携の狙い

2015年8月9日(日曜日)

記録的な猛暑日が続いた東京も、昨日からようやく最高気温が35℃を下回るようになり、少しは過ごしやすくなったかな?という気候になりました。

さて、今月上旬に、セブン&アイとユニクロが年内にも業務提携するというメディア発表がありました。

セブン&アイは、イオングループと並んで日本でトップクラスの流通業であり、イオンとの違いはセブンイレブンというコンビニエンスストアの売上・利益が非常に大きく、総合スーパーでは苦戦をしているという特徴を持ちます。また、西武・そごうという百貨店グループを持ち、バーニーズニューヨークも傘下に治め、ヨークベニマル・ヨークマートなどの食品スーパーをもち、あかちゃん本舗・オッシュマンズのような専門店、そして、ニッセンなどの通販業者もグループに持つ10兆円を超える巨大流通グループです。

そして、セブン&アイが、今、プライオリティーNo,1に推進しているのがリアルの店舗とインターネットのプラットフォームをシームレスに利用できるオムニチャネルという前にも紹介した流通プラットフォームの形態です。

一方ユニクロは、ファストファッションとしては、グローバル企業に成長しており、製造から販売まで一気通貫で世界最適地で生産し、有望市場に店舗を作り拡大を図っています。

今、ファストファッションの世界では、勝ち組と負け組が明確になってきており、スペインのZARAとスウェーデンのH&Mと日本のユニクロが順調に売上を伸ばしており、GAPやJ.CREWやアバンクンビー&フィッチなどが苦戦していてリストラをしている状況です。

日本市場でユニクロは、ダントツの首位を走っていますが売り上げの伸びに鈍化傾向が見られます。以前は、路面店と都心の繁華街に積極的に店舗展開してきましたが、それも一段落し駅中への進出などを積極的に進めています。通販とインターネットでも販売しており、最近ではインターネットでの売上は良く伸びていますが、全体の比率では3%台にとどまっており、大きく伸ばすには、プラットフォームの強化が必要という感じです。

このような背景を持つ両者が業務提携するに至ったのはどういう理由なのかということですが、私は次のように考えています。

まず、ユニクロからすれば、セブン&アイが持つ売り場面積・数とオムニチャネル・プラットフォームの魅力です。

ユニクロが国内で売上をさらに伸ばすためには、インターネットでの販売を伸ばすのが今最も効率的であり効果的です。

なぜなら、今、ユニクロが売上を伸ばすために店舗を増加させても、建設に対しての費用と時間がかかることと、店舗ができたとしても人材が不足している状況では、店舗オペレーションのコストも大きな負担です。そして、これからの出店効率は今までのロケーションよりも落ちることは間違いありません。

従って、セブンイレブン・イトーヨーカ堂・西武・そごう・セブンネットなどの既存の売場での、商品展示・商品注文・商品受け渡し・返品受取などができることは非常に効率的な販売拡大策となります。

一方セブン&アイにしてみると、イトーヨーカ堂の衣料部門の不振というものが存在します。ここ20年間にいろいろなてこ入れを行ってきましたが、なかなか効果を発揮することなく、ユニクロを中心としたファストファッションに売上を奪われ続けてきました。

セブン&アイとしては、衣料においての商品開発・製造・販売に関してユニクロのノウハウは是非とも欲しいものであり、オムニチャネルでのユニクロの商品ラインナップも非常に集客につながるものがあります。

元々、セブン&アイの鈴木会長とユニクロの柳井会長はお互いに経営者として尊敬する間柄であり、よきライバルとして、また、学び合う仲であるということも業務提携を後押ししたと思われます。

この国内の強者同士の業務提携は、アマゾンを含めた流通業に対して大きなインパクトになることは間違いないと思われます。

市場がグローバル化するなかで、このような強者の連合がこれからいろいろと出てくると思われます。