江戸の美意識を表現する言葉

2015年8月30日(日曜日)

いよいよ、8月も終わろうとしています。

この夏は、7月と8月上旬までは地獄のような暑さでしたが、お盆を過ぎたころからはその暑さも峠を越し、下旬からは朝と夜は肌寒いぐらいの気温になりその温度差についていけないという感じです。

家着も短パンとTシャツから、長ズボンと長袖に一気に秋の装いになってしまいました。

こんな寒いくらいの気温ですが、外からはミンミン蝉の泣き声が聞こえてきます。

蝉にしたらまだ8月なのにという感じでしょうね。

東京は、9月下旬から10月上旬の気温ということで一気に秋が来てしまったという感じですね。

こうなると、食べ物もさんま・くり・マツタケなどの秋の味覚を連想してしまうのは日本人だからなのでしょうね。

また、今年の秋に流行する服装なども気になりはじめたところです。

話しは変わりますが、私は友人と一緒に江戸庶民文化研究会という会を主宰しています。

その理由は、今の東京という世界最大級の都市の土台となっているのは江戸であり、その江戸という時代は知れば知るほどテレビで見る時代劇とは違って庶民の幸福そうな生き生きとした姿が発見できることと、経済的にも非常に洗練された現代に通じるヒントがたくさんあるからです。

研究会の活動はというと、真剣な研究というより、色々なところを尋ねてその後の飲み会が目的ということもあり、江戸の専門家からするとエセ研究会に見られてしまうようなレベルです。

でも、弥次喜多道中のようにあまり深く考えず感性で動くところは江戸に徹しています。

その江戸ですが、江戸時代の生き方の価値観というのは知っておいて損はありません。そこには、現代にも通じるものもありますし、東京という現代にも受け継がれている部分もあり、それが、クールジャパンという、世界に付加価値を提供できる文化の土台となっていることでもあります。

今回は、江戸の生き方のキーワードについてちょっと触れてみたいと思います。

ただし、専門家ではないので話半分ぐらいにして読んでいただければと思っています。

興味を持っていただければ、専門家の著作などをご覧ください。

江戸の価値観のキーワードと広辞苑よる解説

・いき(粋)

 気持ちや身なりのさっぱりと垢抜けしていて、しかも色気を持っているこ

 と。人情の表裏に通じ、特に遊里・遊興に関して精通していること。

・いなせ(鯔背)

 一説:江戸日本橋魚河岸の若い衆が髪を鯔背銀杏に結っていたところから

 粋で、勇み肌の若者、また、その容姿や気風。

・いせい(威勢)

 元気・いきおい

・つう(通)

 人情や花柳界の事情などをよく知っていて、さばけていること。

・だて(伊達)

 ことさら侠気を示そうとすること。人目を引くように、派手に振る舞うこ

 と。好みがいきであること。あかぬけていること。さばけていること。

 伊達の薄着:見栄を張り、着ぶくれをきらって寒いのを我慢して薄着をす

 ること。

・ふうりゅう(風流)

 美しく飾ること。意匠をこらすこと。前代の遺風。

・しゃれ(洒落)

 気のきいたさま。いきなこと。おしゃれ。座興にいう気のきいた文句。

・にんじょう(人情)

 自然に備わる人間の愛情

・なさけ(情け)

 他を憐れむ心。慈愛。思いやり

・ぎり(義理)めんつ(面子)かお(顔)

 人が他に対し、交際上のいろいろな関係からいやでも努めなければならな

 い行為やものごと

・めんつ(面子)かお(顔)

 面目、体面

・みえ(見栄)

 他人を意識し、自分を良く見せようとすること。体裁をつくろうこと。

このようなキーワードが主に江戸時代においての価値観を表すどちらかというとポジティブな表現内容です。

特長的には、個人主義ではなく世間との関わりにおける評価に重きが置かれていて、男性にしても色気という性的な魅力が要求されているような印象を受けます。

それとは、逆に江戸の価値観を表すネガティブなキーワードは次の二つです。

・やぼ(野暮)

 世情に通ぜず人情の機微をわきまえないこと。特に遊里の事情に通じない

 こと。またその人。

 (ただし、野暮は嫌われるというところまではいきません)

・きざ(気障)

 服装・態度・行動などが気取っていて、人に不快や反感を感じされること

 いやみ。

この辺は、今も昔も変わりませんね。

このように、キーワードから江戸の人達の価値観が伝わってきます。

これらのキーワードは、特に男性の価値観というか美意識ということかもしれませんが、江戸時代では女性にもある程度同じ価値観があったものと思われます。

女性だけについてのキーワードもあります。

小奇麗、こざっぱり、小粋、小股の切れあがったというような表現です。

小股の切れ上がったという表現は、広辞苑では、女のすらりとした粋な体つきをいうとあります。

これらのキーワードには、すべて「小」がつきます。

この小は、抑制や節制を表す副詞であり、派手や気障とは対照をなす表現であり、日本の文化の特徴である細やかな美意識を感じさせるものです。

日本の女性が外国人の男性にモテモテなのも、この辺の細やかな美意識があるからではないでしょうか。

しかし、日本の現代の女性でときどき気になることがあり、是非ともやめてほしいことがあります。それは、電車の中でお化粧をしている女性が多くなったことです。

そのうち、着替えも電車の中で始めるのではと期待しています。じゃなくて心配しています。

個人主義もここまで来たかという感じです。

私などは、女性が電車のなかで化粧をしているのを見て、なんかこちらが目のやり場に困ってしまうという後ろめたさがあります。

決して見てはいけないものを目の前にした時のような心理状態に陥ってしまっているのかもしれません。

私の叶わぬ夢として、タイムマシンがあったら江戸時代のしかも元禄時代あたりの江戸に行って色々な場所に行ってみたいというのがあります。

屋台の寿司や天ぷらやうなぎを食べて、長屋の風景や江戸城そして歌舞伎や落語を聞いて相撲見物、最後は浅草寺や吉原などをリアルタイムで見れたらその生き生きとした生活を目の当りにしたら驚きの連続だろうなとワクワクしてしまうのです。