2016年

1月

03日

2016年日本経済展望

2016年1月3日(日曜日)

新年、明けましておめでとうございます。

今年も、皆様にブログをお届けることができることを感謝申し上げます。

2015年の日本経済を一言でいえば、「実感なき株高」という感じだったでしょうか。日経平均は確かに年末大納会の終値として4年連続で上昇したという結果になりました。しかし、多くの人の生活の実感が4年連続で良くなっているという実感はないのではないかと思います。

そんな中で、2016年を迎えたわけですが、私なりに2016年の日本経済について展望してみたいと思います。

その前に、2015年の当初に私がブログで書いた2015年の展望をそのままコピペして以下に表示してみたいと思います。

 

2015年1月4日(日曜日)

いよいよ、2015年新年を迎え、明日からは本格的に2015年の日本経済がスタートすることになります。

年末年始は、各地で大雪による被害や交通への影響も出ているようです。

くれぐれも、落雪などにご注意ください。

さて、今年の日本経済の展望ということですが、結論からいいますと「かなりきびしい」というのが私の見方です。

その理由は以下の3つです。

1.人口減と老齢化

厚生労働省の平成27年の人口予測によれば、1億2659万7千人です。

この数字は、平成24年の実績値に比べ91万8千人減少となります。

91万8千人という数字がどの程度の数字かというと、県でいえば香川県や和歌山県、市でいえば千葉市、東京の区でいえば世田谷区がまるまる消えてしまうという数字です。

県ひとつがまるまる無くなるような人口減少の中では、経済の重要部分である消費が増えるには、一人当たり消費を増加させるしかありませんが、老齢化が進むにつれて消費が増えるということは大変難しいものです。

 

2.消費者物価の上昇と実質賃金の目減り

これは、名目賃金の上昇より消費者物価指数の上昇が大きいために、家計の可処分所得が減少しているという事実です。

スーパーマーケットにいってみれば、物価の上昇の現実はいやというほど思い知らされます。

これは、あきらかに円安による輸入物価の高騰が原因であり、需要が供給を上回って起きる健全なデマンド・プル・インフレではなく、製造原価が上昇したことによる不健全なコスト・プッシュ・インフレです。

一部、輸出が好調な大手企業は実質賃金の目減りはないかも知れませんが、ほとんどの家計では、円安が生活を圧迫しているという状況です。

これでは、消費を抑えるしか一般の人の対応策はありません。

 

3.将来への不安

2.で述べたように実質賃金の目減りという事実がありながら、国民は預貯金にお金を回しています。

家計には、金融資産と現金・預金をあわせると1600兆円という莫大な資産がありますが、それが市場になかなか出てきません。

この原因は、将来の年金・介護・医療などの社会保障のスキームが安心できるものではないという心理が大きく影響していると思います。

スウェーデンやフィンランドのように、税金は高いが、老後は安心して国が面倒見ますという信頼がないのです。

年金は、積立金が増える、支給年齢が上がる、支給額が減るというトリプルパンチを国民は恐れていますし、介護・医療費も上がっていくだろうと考えています。それは、事実でしょう。

積み上がる国の借金とそれを返していく人口の減少は国民の不安材料です。国債格付けも昨年末、増税延期によって下げられてしまいました。

つまり、国民は政府がいうより国の状況をうすうす感じ取っているのではないかと思います。

この状況を招いた原因は、問題の先延ばしです。

人口予測は、昭和60年ぐらいから現在と将来の状況を正しく予測しており、人口減と少子高齢化が訪れることと、その場合の社会保障費の膨張も理解していたはずです。しかし、抜本的対応を採らずに、借金を積み重ね景気刺激策を実施して景気さえよくなればすべては解決するという政策を続けてきました。

年の初めからあまりいい予測しかできなくて申し訳ありませんが、人口問題の量と質の課題とそれに対する抜本的対策を提示しない限り、この状況は続くと思います。

以上が、昨年2015年の年初に展望した内容です。

実は、基本的には2016年もこの内容に変化はない、という考えです。

昨年末に、日経新聞に「出生数5年ぶりに増加、100万8000人15年推計、子育て支援影響か、前年比4000人増加」という明るいニュースが出ていました。確かにこのようなニュースは非常に希望をもてるニュースです。

しかし、死亡数を見ると130万2000人で戦後最多となっています。

死亡数から出生数を単純に引き算すると約30万弱の減少となります。

では、出生数が増加に転じたということがこのまま増加し続けるかというとあまり期待できないと思います。その根拠は、婚姻件数が減り続けているという事実にあります。

日本のように婚外子率が諸外国に比べて低い状況では、確実に増加する死亡数、減り続ける婚姻件数が意味するものは、継続した人口減となります。

人口減が日本経済に与える影響は繰り返し述べてきました。

経済とは、基本的に人が生産と消費を行うことを基本としており、それが増加傾向か減少傾向化は物理的に大きな影響を経済に与えます。

それは、過疎化した地域を見れば一目瞭然です。若い人が町村からいなくなり、老人が残された地域で経済成長するということは本当に厳しいものです。日本の縮図といっていいでしょう。

そのような状況と実質的な賃金減少と将来への不安という2つの要素はいまだ根本的に解決されていません。

賃金については、グローバル企業で一部確かに上昇しています。また、団塊世代の大量退職と新卒人口のギャップにより、新卒社員を正規雇用で迎えるという企業が増加し、建設・建築、小売、飲食などの業種では人手不足になるような労働市場になっています。

この人口減と労働人口のゆがみを解決する方法は、若い人の人口増ということになるのですが、現在の状況下でそれを解決するのは「優秀な人材を世界から取り込む」という以外に解はないと思っています。

将来の不安については、これは少子高齢化した成熟社会の宿命と考えます。

不安というのは、「分からない」ことに対する人の反応です。

しかし、第二次世界大戦で敗戦し焼け野原になった国土に残された日本人ですが、将来に対して不安というよりも希望の方が勝っていたのではないでしょうか?だからこそ、戦後なにもないところからGDP世界第2位まで成長したのだと思います。

おなじ「わからない」にしても、人は置かれた背景と状況によって希望になったり、不安になったりするということが言えるのではないでしょうか。

何も持っていないけど身体も心も若くて健康なときは「希望」、ある程度のものは持っているけど体も心も老齢化したときは「不安」になるということは人間の心理なのかもしれません。

日本がその人口構成により、老齢化した一人の人間のようになっていることは事実であると思います。

これに対する解は、「わからない」から「わかる」に変えるということです。しかし、「わかる」ということが即いい状況を生むかというとそれは違います。「分かった状況の中で最善のシナリオを描く」ということをしなければなりません。また、「わかった」時点でパニックに陥ることもありうります。「分かった状況の中で採りうる最善のシナリオ」を考えなければなりません。これが、戦略の神髄です。

経済産業省・厚生労働省・総務省・財務省のデータを自分なりに分析すると色々なものが見えてくると思います。

 

話しは、少しズレますが、日本人特に若い人たちの価値観が徐々に変わってきています。

それは、高度成長期に価値とされていた、新しい家、新しい車、新しい服装、新しいインテリアなどの新しいものに対する価値、そしてそれらを所有するという価値、この2つの価値が、古くて良いものに対する価値、所有ではなくシェアするという価値観に変化していることです。

これは、2016年のビジネス展開にとって非常に重要な概念だと思っています。

正月からちょっと長くなってしまいましたので、詳しくは、今後のブログで紹介していきたいと思います。

今年も、皆様のビジネスが順調に展開していけることをこころよりお祈り申し上げます。